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急性単芽球性白血病と急性単球性白血病

  • 急性単芽球性白血病Acute monoblastic leukemiaはFAB分類のM5aに相当する
  • 急性単球性白血病Acute monocytic leukemiaはFAB分類M5bに相当する
  • WHO新分類ではM5aとM5bの形態学的サブグループの分類はおこなっていない
    M5a, M5b いずれも単球系細胞にコミットメント(系統が決定)した前駆細胞レベルの白血病化と考えられる

急性単芽球性白血病と急性単球性白血病の病理

Acute monoblastic/monocytic leukaemiaは生物学的に多様な疾患のグループであり以下の白血病を含む

  • 11q23関連白血病
  • t(8;16)(p11;p13)と顕著な血球貪食像(特に赤血球貪食)を伴なうAcute monocytic leukaemia
  • 現在のところは特異的な細胞/分子学的な異常がとらえられていない多くの白血病

FAB分類
myeloblast + monoblast + promonocytesが≧30% を占める
SBB+ / MPO+ の顆粒球系cellsは<20% である
nonspecific esterase positive cells>80%:80%以上の細胞は非特異的エステラーゼが陽性です
monoblast predominate in M5a :単芽球優位なのはM5a
promonocyte predominate in M5b :前単芽球が優位なのはM5bです。末梢血は単球が増加

WHO分類(ICD-O code 9891/3)
白血病細胞の≧80% が単球系の細胞でmonoblast+promonocyte+monocyteから構成される
<20% はneutrophilic lineageが占めてもよい(SBB+/MPO+)
単球系白血病細胞のほとんど(>80%のことが多い)が単芽球であるタイプ
=> acute monoblastic leukaemia
単球系白血病細胞のほとんどがPromonocyte(前単球). 末梢血は単球
=> acute monocytic leukaemia

急性単芽球性白血病(FAB-M5a)

AML-M5aSmear.png

単芽球の形態(骨髄スメア標本):
やや大型, N/C比は小, 核は類円形で細胞質の中央部に位置し核網は繊細, 1-3個の明瞭な核小体が見られる. 細胞質は淡灰青色でゆったりとして豊か. 一部の芽球細胞質に微細なゴミ様のアズール顆粒を見ることがある. 細胞膜が偽足様突起をもつものあり.
Auer小体はきわめてまれ
(クリックで大きな画像が見られます)

 
AML-M5a1-160Giemsa.png

M5a
Bone marrow clot section:
この標本では貪食像が顕著でStarry-Sky appearanceを示しています。(May-Giemasa)

 

細胞化学染色Cytochemical Stains===>細胞化学技術についての解説

非特異的エステラーゼ染色

AML-M5a1-155ANAE.png

非特異的エステラーゼ染色

  • alpha-Naphtyl-acetate esterase (ANAE)
    単球と巨核球が種々の程度に強く染色される. 単球はびまん性に,巨核球は点状に染まる
    顆粒球系細胞にも染まることがあるが,ごく弱く染まるだけ
AML-M5a1-156ANBE.png
  • alpha-Naphtyl-butylate esterase (ANBE)
    フッ化ナトリウム(NaF)は単球エステラーゼの染色性をほぼ消失させる
    単球系細胞はNaF-inhibitedである.
 

臨床的特徴

M5a(単芽球性白血病)

  • 全AMLの5-8%を占め全年齢層に発生するが若年者の発症が多い
  • 小児M5aは11q23の異常を伴い著明な白血球増加を示すことが多く予後不良因子である

M5b(単球性白血病)

  • 全AMLの3-6%を占め成人に多く(中央値49歳), 男女比は1.8:1と男性に多い

臨床症状

  • M5では出血傾向を訴える患者さんが多い
  • M5ではt(8;16)の症例だけでなく, 凝固線溶異常を伴うことが多く寛解導入時に出血,血栓症状の有無や凝固線溶パラメータを十分に評価して支持療法をおこなう必要がある
  • 単球系細胞には多くの凝固線溶に関与する物質が知られておりDICのみでなく一次線溶亢進がおこっている可能性もある
  • 歯肉腫脹, 皮疹, 肝脾腫が比較的多くM5腫瘍細胞の組織浸潤力が強いことが原因と考えられる. 髄外腫瘤の形成も高頻度におこる
  • AMLの中では髄膜浸潤が多い
  • 小児M5は11q23の異常を伴い著明な白血球増加を示すことが多くM5と診断されること自体がもっとも予後不良因子となる. 成人M5でも白血球増加を伴なっていることが多い
  • 血中,尿中リゾチーム活性はM4と同様に高値をしめす. 特にM5bはリゾチーム高値となる

添付ファイル: fileAML-M5a1-156ANBE.png 1689件 [詳細] fileAML-M5a1-155ANAE.png 1783件 [詳細] fileAML-M5a1-160Giemsa.png 1463件 [詳細] fileAML-M5aSmear.png 5246件 [詳細]

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Last-modified: 2016-05-17 (火) 08:30:19 (819d)