CD5-negative mantle cell lymphoma (mantle cell lymphoma--case04) †80歳代 女性 吐気があり救急外来を受診, 腹部CT検査で小腸間膜から傍大動脈領域までリンパ節腫大を指摘される.造影CTで頸部から鼠径部リンパ節まで腫脹. 軽度の脾腫大あり. 病理組織所見 †頸部リンパ節生検組織.
以上の所見, 検査結果より, Pathological Diagnosis; Mantle cell lymphoma, small cell type, CD5-negative 化学療法を施行し, PET-CTで寛解が確認された. 初発後8年, 無病生存されている. 下記, 文献のようにCD5陰性 MCLの長期生存症例と考えられる. CD5-negative mantle cell lymphoma †文献: CD5陰性MCL58症例の臨床病理像と予後について *1 CD5-negative MCLは, 約950例のMCLのうち 58例, 6%の頻度であった. (2005-2015年) CD5-negative MCLはCD5陽性MCLに比較しPFSが顕著に長く, OSが良好な傾向を示す. CD5陰性は独立した予後良好因子になる. CD5陽性 classical MCLで予後不良因子となるblastoid/pleomorphicの形態や高MIB-1 LI(≧30%)はCD5陰性MCL症例では予後に関連しない. CD5陰性MCLの予後良好であることは, CD5陰性MCLにBM non-nodal MCL症例がclassical MCLにくらべて多いこととは無関係である. SOX11の陽性率はCD5陽性/ CD5陰性MCLいずれも変わらず, 67-69%であった. 鑑別診断 CD5陰性MCLは他のCD5陰性 small B-cell lymphomaが鑑別の対象となる. nodal/ extranodal, splenic marginal zone lymphoma; 細胞がMCLに比べよりpolymorphicで, monocytoidな分化を示す. まれにMCLがmonocytoid の所見を示す場合には鑑別診断が難しくなる. |