CHUBU1015

第60回中部交見会症例

CHUBU交見会症例1015

進行性多巣性白質脳症 Progressive multifocal leukoencepharopathy (PML)

臨床事項

60歳代女性 死体腎移植後, 進行性知能低下.
23年前, 慢性腎不全により腎移植が施行されている. 以来シクロスポリンによる免疫抑制療法を持続.ステロイド性糖尿病あり, インスリン自己注射を行っている.

3ヶ月前より, 運動機能および知能低下が徐々に出現. 1ヶ月前か急速な知能低下が認められ入院となった.
画像上, 両側側脳室深部白質に病変をみとめた. 入院加療をおこなうが意識レベル低下が急速に進行し, 呼吸状態悪化し永眠される.

画像所見

頭部CT: 両側側脳室周囲の深部白質に広範なlow density areaあり.
頭部MRI: T2WI, FLAIRで両側側脳室周囲の深部白質にhigh intensity areaあり.脳梁を含み, 右側頭葉で一部皮質付近まで達する. T1WIで, low intensity area, 造影T1で周囲がややEnhansed.頚胸髄には明らかな病変の出現は見られない.

Tlシンチ:遅延像で, 右側頭, 両頭頂葉白質へのごく淡い集積が疑われる.

剖検所見

肉眼的に両側大脳半球白質は,特に頭頂葉から後頭葉にかけて広範囲に褐色調を示し柔らかく,篏凹している。小脳脳幹部には肉眼的に著変なし。

病理組織診断

進行性多巣性白質脳症 Progressive multifocal leukoencepharopathy (PML)

進行性多巣性白質脳症(PML)

  • PMLは遅発性ウイルス感染の形をとるJC virus 脳感染症
  • JC virusは脳内oligodendrogliaに主に増殖してPMLをおこす
  • JC virusは腎, Bリンパ球, 脳などに潜伏感染し免疫不全状態になると(再)活性化し初めて病原性を現す。
  • リンパ悪性疾患(CLL, Hodgkin病, ATL)やその他の白血病, SLE, 結核, 異常蛋白血症などに伴う免疫不全症に随伴する
  • 近年ではAIDSによるPMLが増加している。

免疫不全状態の脳白質病変の鑑別

  • 臨床
    • cycrosporin脳症
    • PML
    • glioma
    • 悪性リンパ腫ほかのリンパ増殖疾患
    • toxoplasmosis
    • ヘルペス脳炎
    • 多発性硬化症
    • その他
  • 病理
    • Astrocytoma
    • Oligodendroglioma
    • PML
    • Gliosis
    • Toxoplasmosis
    • Multiple sclerosis
    • Others

Disscussion

  • Audience: commentです。 この症例は生検でもしっかり病理診断されているようで、核内封入体がdiagnostic clueとなっているようです。封入体がないとほとんどMSと鑑別がつきません。
    私はGliomaとMSの鑑別診断困難であった症例を2例程経験しています。これらは手術例で最終的な組織診断はMSでした。その症例には封入体はありません。この例は臨床経過からみごとに診断がついておりJCvirusも検索されている。
    優れた神経内科,脳神経外科と病理のdisscussionができています。そうでない場合は病理診断に大変苦労すると思われます。本例のような症例は凍結迅速診断ではかなりの方がastrocytomaとDxする病変と思われます。
  • Chairman: 生検の所見は---
  • Presenter: ---(聞き取れませんでした。)
  • Co-presenter: 生検ではoligoの成分だけでgliosisのところは殆どない。New England Journal of Medicine(NEJM)のCPCcase[1]に同じような症例がある。彼らの症例もoligoの部分がとれておりastrocytomaと間違うような部分はとれてないようです。

参考文献

1. Case14-2004 A 66yo man with Progressive Neurologic Deficits New Engl J Med 350;1882-1893:2004


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Last-modified: 2019-08-19 (月) 14:56:43 (32d)