中部交見会症例

CHUBU1043 肘リンパ節の病変

症例のまとめ

  • 30歳女性の肘に, 拡大した異常なリンパ濾胞過形成からなる, リンパ節性MALT型リンパ腫, 濾胞性リンパ腫(特にfloral variant), PTCGなどの鑑別を要するリンパ節病変。
  • IgH PCRの結果;smear patternで反応性と判断, 形態からは典型的なPTCGとは異なる。

鑑別診断リスト

  • リンパ節性MALT型リンパ腫 nodal marginal zone B-cell lymphoma
  • 濾胞性リンパ腫(特にfloral variant)

Presenter's Diagnosis

Atypical lymphoid proliferation with PTGC-like follicles. 4年1ヶ月経過を見ているが再発なし。

Discussion

Floar01; 非常に難しい症例で, 私はFLにしました.IgHのPCRでsmearになっているのはちょっとかわからないが, 増殖パターンもそうですし, 細胞の均一性も高いのでlymphomaであるとは思っています. stageIで取り切れてしまって再発しないことはしょっちゅうあるので, 再発しないから腫瘍でなかったとはいえない。4年たって再発しないので腫瘍でないと言うのはちょっと問題がある。
ひとつ確認しておきたいことがありますが,PTGCというのは疾患概念ではなくて所見です。類似のものにはregressive transformation of Germnal centerというのがある。それはregressionするタイプのgerminal centerということ。それはどういう用語かというと, Germinal center hyperplasiaやGerminal center atrophyなどと基本的には一緒ですのでPTGCはあたかも疾患のひとつの単位かのように言われてしまいますが, そうではなくてGerminal center hyperplasiaをともなうlymphoid hyperplasiaと同じような使い方をしますのでPTGCを伴うreactiveなリンパ節病変とするのがPTGCと書く場合には正しい。

Presenter; この例は follicular lymphomaか, とりきれたかどうか問題なのですが, 患者さんに化学療法なり、治療を加えるかどうかが一番の問題と思いますが,化学療法をしなくてよかったでしょうか?

Floar01; stageIのFL, とくにfloral variantにはいろいろな意見がありますが StageIで取り切れた場合はobservationがむしろ一般的で化学療法をする方が例外的です。 残存病変が疑われたときに、radiationした場合, chemotherapyをした場合, observationした場合の5年生存率に差はありません。仮にこの例がfollicular lymphomaと診断されてもたぶん臨床は同じことをされたと思います。

Floar02; 2回ほど前にリンパ節病変でmarginal zone のfloral variantを提示しましたが、基本的なパターンは, Floar01先生はfollicularということなんですけど, これはmarginal zoneのパターンじゃないですか?どこを、どういう点がfolliclarなんでしょうか?

Floar01; おっしゃるとおりで, 細胞の由来は、たぶんmarginal zoneと思います。

Floar02; 下半分はMarginal zoneが拡大して、免疫染色は見てなかったが、それが既存のfollicleの中に浸潤してfloralという形を呈するということで, 中村先生にお見せしたらHEだけで診断されたんでびっくりしたんですが, それが複雑になってくるとlymphomaかどうかもわからないような感じになるので, なかなか難しいということで, floral variantは確かに両者があるんですけれども,これは, どっちかというとmarginalzoneのパターンかなと非常に類似点を感じたんですが。

Floar01; だからfollicularのところのパターンを取っている細胞が, marginal zone lymphomaのcentral colonizationと考えれば, marginal zoneのfollicular typeととる, floralかと思います。私もinter follicualr areaの細胞が気になったんですが、あまりにfollicularの構造のところの細胞の均一性が高いので, まあHEのレベルではfollicular としてほうがおけばいいかなと。
いずれにしてもfloral variantで類似性の病変ですのでbclの発現がないのもこういう症例ではしばしばあるということを押さえておけばlow grade B-cell lymphomaのfollicular type, 逆に言うと、follicularがどう定義されているかというと follicular の形態を取るリンパ腫と定義されているので,むしろその点にしたがえばfollicularのグループで考えたほうがいいと思います。まあ細胞の起源はmarginal…。

Chair man 難しい症例で…時間の関係であとは懇親会で検討を(笑)

学問

  • Follicular lymphomaは濾胞増殖の形態よりも, counter partの細胞が濾胞中心細胞であることが大事であることをReal, 新WHO分類で確認されたのではないか?そうするとmarginal zone由来細胞の腫瘍をFollicular lymphomaに入れて良いのか?
  • Follicular lymphoma floral variantについて調査する。

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Last-modified: 2014-08-29 (金) 12:41:20 (1570d)