中部交見会症例

Fibrolammelar carcinoma of the liver

名古屋大学医学部附属病院病理部 佐藤啓ほか

Discussion

  • floar01: きれいな症例ありがとうございました。日本人で, なかなかでこんなきれいな症例はないんですね。このかた、人種は日本人?
  • Speaker: 日本人です。
  • floar01: それは非常にまれですね。欧米, 白人に多くて日本人にはまれで, 日本で発表された例はうそが多かったんですね。あと,prealbuminや fibrinogenとか、そのへんは染めてない?
  • speaker: 染めてないです。
  • floar02: この症例は通常型のHCC成分もまじっていすよね。
  • speaker:
  • floar02: ありましたよね。その関係はどうでしょうか。通常型のHCCが先行していて、このような型になったと。一般にどうですか。
  • speaker: 両方の成分が混じるというのは記載がありました。
  • floar02: 私は, 通常型HCCが先行してこの型がでるという可能性があるんじゃないかとおもっています。

病理組織診断

 Fibrolamellar carcinoma(FLM)

  • 通常肝硬変のない若年者(平均年齢26歳)の肝に認められ, 診断時に50歳に達する患者はわずかに6%である。
  • FLMの多くでは, 血清中des-carboxy prothrombin(DCPまたはPIVKA-II)とneurotensin, vitaminB12結合タンパクの増加をみる。
  • 上記 3マーカの診断的有用性は限定的であるが, 術後のモニタリングには有用とされている。
  • FLMではしばしば中心性瘢痕が形成される。この瘢痕はリンパ節転移巣においても認められ画像で描出可能である。
  • FLMは既知の肝癌のリスクファクターとは関連がない。

 FLMの診断に必要な3つの形態的特徴

  1.好酸性顆粒状の豊富な細胞質をもつ多稜形腫瘍細胞

  2.大型で顕著な核小体

  3.層板状の線維化

  • 層板状線維化は小さな生検組織では確認されないことも多い。脂肪は認められないことが多い。
  • 顆粒状細胞質は多数のミトコンドリアの存在によるものである.他方淡明小体(pale body)はフィブリノーゲンとアルブミンの両者またはどちらか一方より構成されている。
  • PAS陽性, ジアスターゼ抵抗性細胞質内球状体がよくみられ, 糖タンパクによると考えられている。

○ 一部の通常型HCCでFLMに類似する領域がみられることがある。これは高齢者に認められるHCCの亜形と考えられ, 血清AFP高値をともないしばしばウイスル性肝炎や肝硬変が背景に認められる。

○ FLMでは腺房型構造と粘液が認められ胆管細胞癌や転移線癌と混乱することがある

○電顕では多数のミトコンドリアが認められるほか、神経内分泌顆粒を認める場合がある。


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Last-modified: 2014-08-29 (金) 12:41:20 (1509d)