中部交見会症例

EBV-associated smooth muscle tumor

CHUBU1401 26歳男性 肝臓 金沢大学附属病院病理部 池田 博子Drほか

CTでの肝多発乏血性腫瘤

Discussion

Discussionは管理人個人のまとめ, 勉強の記録です。実際と異なることがあります。

  • floar01: commentでございます.
    診断は先生のに賛成です。鑑別したいのは, EBVassociated inflammatory myofibroblastic tumor-like follicular dendritic cell sarcomaというきわめて長いものなんですけど・・・(笑)
    JhonKC-Chanが1990年代に2例くらい肝原発例を、それ以前にJhonKC-ChanとLawrence Weissらが脾臓原発を報告していると思います。
    (Pubmedには"inflammatory pseudotumour-like follicular dendritic cell sarcomas"というkey wordがある)
    肝原発はアジアからしか報告されていないと記憶しております。確かに平滑筋マーカがそまっていますが、FDC関連マーカも加えて染色していただけるとうれしいなというのが第一点。
     
    WHOになかなか掲載されていないのはなぜか,ほんとうのことはわかりませんが推測はできます。
    演者の先生がおっしゃったように文献的考察では多発しており, 免疫不全が背景にあり。必ずしも予後が悪くないということになると, ほんとうに腫瘍なのか, ある意味 proliferationなのか、たとえばsmooth muscle cell proliferation of uncertain clinical significanceというものも一つの診断者の考えで名称がかわってくる。
    WHO分類はまさに悪性腫瘍分類なので, そのなかには多少なりともproliferationを含む疾患概念や診断名は全面にはだされない。これは欧米流というか栄典の民, コーランや聖書の分化大系で生きてきた(WHO分類を決めている)人たちに共通にあるというのが第2点
     
    第3には, どのような診断名をつけましても, その後に arising in a patient with・・・myositis under immunosupressive therapyなどという個体の側の条件を付帯することが必要と思います。
    というのも疾患は時代でどんどん変化するんですね。子宮頸がんにしても40年前50年前とは大きく変わってきています. 新しい疾患はかならず出てきます。その場合臨床側に誤解のないように伝える必要がある。 わからなければ, uncertain clinical significanceあるいはlow-grade malignant potentialなどとborderの名前をつけることも診断の要と思います。
  • Chairman: 容量依存性とか抑制薬の種類とかはどうでしょうか?
  • floar01:それは今後症例を蓄積, 検討してからでは・・・
  • speaker: 非常に強い免疫抑制状態にはないということは臨床側から聞きました。

Inflammatory pseudotumor-like follicular dendritic cell tumor--SPS-Johnan217case01のページが参照できます。VSあり. 豊橋市民病院症例.

EBV-associated smooth muscle tumor

  • 免疫抑制患者さんに発生するEBV感染陽性のまれな平滑筋腫瘍
     
  • 1995年Lee ESら*1が臓器移植後患者におけるEBV陽性平滑筋腫瘍を, Mc Clain KL*2らがAIDS患者での症例を報告した
    臓器移植(肝・腎・心臓移植), HIV感染者に発生する。免疫抑制剤やステロイド投与のみでの発生例報告は少ない。
     
  • 小児・青年に多い
     
  • 血清検査でEBV活性化が認められることが多い。
     
  • 肝・肺・脾臓・消化管・副腎・膵・胆嚢・甲状腺・子宮・心・心膜・リンパ節・後腹膜・胸壁・腹壁・皮膚・骨・軟部組織・眼・髄膜・中枢神経での発生が報告されている。 多発する腫瘍である。
     
  • EBVのクローン解析からは転移よりも, 多中心性発生と考えられている(polyclonal proliferation)
     
  • 治療は化学療法, 外科的切除, 抗ウイルス剤投与, 免疫抑制剤原減量
     
  • 診断は紡錘形腫瘍細胞が免染でsmooth muscle actinほか平滑筋マーカ陽性, ISHでEBER陽性によりEBV感染が証明されることによる
     
  • 組織像は, leiomyoma, tumor of uncertain malignant potential, leiomyosarcomaに分類される。
     
  • 核異型が比較的軽度で, 核分裂像が少なく, 壊死がない症例が多い
     
  • 組織学的悪性度と予後が相関しない。
     
  • CD21 receptorを介したEBV感染, Akt/mTOR経路の関与など検討されているが機序はわかっていない。

*1  Lee ES, et al The association of Epstein-Barr virus with smooth-muscle tumors occurring after organ transplantation. New Engl J Med. 1995 Jan 5;332(1):19-25.
*2  McClain KL, Leach CT, Jenson HB, Joshi VV, Pollock BH, Parmley RT, DiCarlo FJ, Chadwick EG, Murphy SB. New Engl J Med. 1995 Jan 5;332(1):12-8.

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Last-modified: 2016-07-23 (土) 21:59:59 (702d)