関連ページ:agressive natural killer cell leukemia,  Natural killer cells (NK cells)

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Extranodal Natural Killer(NK)/T-Cell Lymphoma, Nasal Type

Case01:

76year-old female. 1週間前より鼻出血があり受診. 鼻腔内に腫瘤を認めた。

flowcytometry data  enhaCT01.jpg(113.7KB)   CTでは右中鼻道を埋めるような腫瘤が認められる。

生検組織のCD45ゲーティングflowcytometry分析ではCD2+, CD56+, CD16+, HLA-DR+。CD30, CD25陽性の細胞が部分的に認められる。sCD3は陰性, CD7もほとんどが陰性. 腫瘍細胞はNK細胞由来と考えられる。

 

鼻粘膜腫瘤生検組織病理所見

NKL05.jpg(255.0KB) NKL04.jpg(191.4KB) NKL03.jpg(209.5KB)

中ないし大型異型リンパ球様細胞がシート状密に増殖している。核にはしわ、ねじれやくびれが認められクロマチンは粗く、核小体が出現している。

NKLEL02.jpg(254.2KB) 鼻粘膜腺管へのリンパ腫細胞浸潤(LEL)が見られた。

CD56  CD3ok.jpg(252.6KB)  EBER-ISH CD56(左), CD3ε(中), EBER-ISH(右)

 

病理組織診断:extranodal NK/T-cell lymphoma, nasal type

全身化学療法, 局所放射線療法により寛解。以後画像などでfollow upする。6年後も無病生存。

 
 

Case02 精巣腫瘤

87year-old male

右睾丸の腫大を自覚。右精巣は硬く軽度腫大している。CTでは均一な精巣の腫大と全身リンパ節の軽度腫大を指摘され悪性リンパ腫が疑われる。sIL-2R 5990と上昇(正常値145-519).

右睾丸摘出標本病理所見

精巣, 精巣上体を占拠する腫瘍. 壊死出血はみられない testisNK01.jpg(118.8KB)

 
 

萎縮した精細管周囲に異型リンパ球が密に浸潤している. 血管中心浸潤像を認める.

HE02.jpg(330.5KB)  HE03.jpg(330.0KB)  HE09.jpg(285.4KB)  HE07.jpg(332.1KB)

 
 

腫瘍細胞は左からCD3ε, CD56, EBER-ISH, granzymeB陽性を示す。

testisNKCD3.jpg(266.1KB)  CD56  EBER-ISH  granzymeB

病理組織診断: extranodal NK/T lymphoma, nasal type of the rt. testis

 
 

Case03 咽頭鼻腔病変--致死性正中性肉芽腫の組織像

 
sagitalview.jpg

80yo male. 1ヶ月前より嚥下時痛があり近医受診. 左軟口蓋粘膜腫脹とびらん, 左鼻前庭部湿疹, 中鼻道からの膿汁排泄をみとめた。最初ヘルペス感染症と急性副鼻腔炎と診断され治療を受けるが軟口蓋腫脹が増強した。A病院を紹介され咽頭から軟口蓋にかけ潰瘍を伴う腫瘤を指摘される、同部より生検をおこないNK/T cell lymphomaと診断された. (提示組織はその時のもの。提供されたブロックより再染色免疫染色しました)。
同院で臨床ステージ2B以上、局所放射線治療の適応ありとされ当院を紹介される。来院時(症状発生より約2ヶ月)には40℃台の発熱, 意識混濁あり。左耳下腺部に巨大な腫瘍性浮腫, 顔面が変形, 上口蓋が突出するほどの腫瘍増大と咽頭部化膿が認められ重篤な状態であり緊急入院。

noseloupeNK.jpg(200.1KB) 紹介病院での生検組織片

 

びらんを示す扁平上皮粘膜組織片。炎症性肉芽腫組織が上皮下に認められる。よく見ると中ないし大型異型リンパ球が浸潤しているようにも見えるが腫瘍の断定は難しい。

pharynx01.jpg(478.1KB) HE HE

 

CD3, CD20陽性リンパ球の浸潤は少なくCD56陽性細胞が増加している。

CD3 CD20 CD56

 

ややback groundが強いが核陽性を示すEBV感染細胞が多数認められる。骨髄には貪食像あり。

EBER-ISH EBERpharynx02.jpg(247.6KB) HPS01.jpg(159.4KB)

 
 

病理組織診断:Nasal NK/T-cell lymphoma, pharynx, biopsy

骨髄は正形性. M/E=2.4. マクロファージの増加がめだち血球貪食像3.0%. 3系統造血細胞ともに各成熟段階がみられ異形性なし. 異型細胞増殖もみられない。染色体:46XY. リンパ腫関連血球貪食症候群に矛盾ない所見. flowcytometry CD56陽性細胞集団がごく少数同定されている. 鏡検上明らかなリンパ腫細胞の浸潤を指摘できなかった。

NK/T細胞リンパ腫, ステージ. 局所放射線療法の適応はなく, 寛解導入目的で全身化学療法を開始(Devic療法).CTでPR. 咽頭部潰瘍は縮小傾向血球貪食は改善せず高熱が間歇的に持続した。 Devic2コースに続きサルベージ療法(VeMP)をおこなうが全身状態悪化, 出血傾向を来たし発症から4ヶ月後に永眠される。

Extranodal NK/T-cell lymphoma, nasal type

mature NK/T-cell lymphomaの一型. 例外なくEBV感染と関連する. 人種の素因がありアジア, アメリカ原住民に発生し欧米, 南アジア, 中東, アフリカには少ない. 85%は鼻腔ほか上部気道消化管に発生する. 残る15%は同様の臨床病理像を示す節外リンパ腫が上記以外の部位に出現し, extranasal NK/T-cell lymphomaと呼ばれる. NK cell由来がほとんどであるがT cell由来の症例もありNK/T-cell lymphomaが適切とされている.

Nasal NK/T-cell lymphoma

Extranodal NK/T-cell lymphomaの典型例は鼻腔領域に発生する. 腫瘍細胞の細胞障害性により鼻, 顔面正中部組織の破壊が強く, 致死性中心性肉芽腫(lethal midline granuloma)に分類されていた.

  • 男性に多く発生年齢中央値は50歳前後で小児には少ない. 少ない小児症例では蚊アレルギーやEBウイルス関連疾患と関連があることが多い.
     
  • リンパ腫はいろいろな組織像を示す. 多くの例は多型のある小, 中, 大型異型リンパ球が種々の炎症性細胞(形質細胞, マクロファージ, 好中球)と混在して増殖する.
     
  • 壊死, 血管中心浸潤や血管浸潤が通常の所見のため以前はangiocentric lymphoma とされていた。
     
  • 腫瘍細胞が小型リンパ球のみで構成され, 異型や壊死所見がない場合は容易に慢性炎症と誤診される. 胃, 大腸(消化管病変では穿孔症状が多い), 皮膚にこの小型腫瘍細胞が浸潤する場合はより診断が困難となる.
     
  • 異型のない小リンパ球の浸潤であっても壊死のある場合は, CD56を念のため染色してみる。特に鼻, 咽頭の粘膜の場合. -->症例をみる
     
  • 骨髄生検では80%が微小な病変のためルーチンのHE標本では見つけられないことが多い。
     
  • EBERの検出がステージ決定や初発病変の診断に有用となる.

immunophenotype

  • CD2, CD56およびCD3εが陽性. 表面CD3(sCD3)は陰性.
     
  • perforin, granzymeB, TIA-1の細胞障害性顆粒が陽性
     
  • ときにCD30, CD7が陽性
  • CD56陰性のNK/T-cell lymphoma症例がある. CD56陰性で, CD4/ CD8が陽性を示す症例があり, 臨床病態は変わらないことからこの疾患に分類されている
  • CD56陰性, CD3ε陽性の症例は細胞障害性顆粒とEBVがEBER-ISHで陽性を確認できると extranodal NK/T lymphomaと診断される. 両者が陰性の場合はperipheral T cell lymphoma, not othewise specificに分類する.

genotype

  • TCR, Ig geneはgermline
     
  • TCRがrearrangementを示す症例が少数(up to 27%)あるがcytotoxic T cellの腫瘍と考えられる
     
  • p53, c-kitの遺伝子異常が指摘されており地域によって頻度の差が認められる
     
  • 50%の症例にはFas遺伝子変異が認められる
     
  • 通常みられる核型異常は6q deletionである。しばしば6q21欠損によるHACE1抑制遺伝子のderegulationが血管生理の遺伝子, EBV-induced gene, PDGFRA過剰発現にかかわる遺伝子に影響していることが近年のmicroarray研究により解析されている。

prognosis

  • 一般に予後不良. 5生率<50%.
  • 鼻腔病変で, 高MIB-1 index >50%, 40%以上のtransform細胞の存在は予後不良推測因子となる。鼻腔以外の部位には適応できない。

Extranasal NK/T-cell lymphoma

  • 体のいかなる部位にも発生する. 皮膚, 軟部組織, 消化管, 睾丸は特に多い. 肝, 肺, 脳, 乳房, 眼窩, 舌, 卵巣, 副腎発生の報告もある.
  • 皮膚では大きな潰瘍病変または多発する紅斑様の発疹をつくる他 pyogenic granulomaに似た病変をつくることもある。
  • 消化管の病変はポリープあるいは息肉状腫瘤, 潰瘍, 多発びらんを呈する. 進行した腫瘍では大型結節病変やgiant foldを示す
  • 鼻以外の病変のimmunophenotype, genotypeはnasal NK/T-cell lymphomaと同じであるがCD30陽性の頻度が高い。
  • 性別, 年齢分布, 地理的分布, immunophenotypeは nasal lymphomaと変わらない. 予後は鼻以外の病変のほうが悪い。

リンパ節に初発したnasal type NK/T cell lymphoma症例

  • 節性であれば通常はPTCL-NOSであるが, 例外がある(?!)
  • 頚部リンパ節の報告が多く次いで下顎リンパ節にみられるが複数のリンパ節病変例もある
  • 全例男性で, 年齢中央値は55歳
  • 節病変の組織, 免疫染色所見は節外病変と差はないがTCR再構成が半数に認められnasal typeとことなりcytotoxic T cell由来が多い(この場合は, PTCLではないか?)
  • 予後は不良であり化学療法をおこなっても, ほとんどが1年以内に死亡する

添付ファイル: filegranzymeB.jpg 1040件 [詳細] fileNKLflow02_s.jpg 304件 [詳細] filetestisNKCD3_s.jpg 320件 [詳細] fileNKLEL02_s.jpg 350件 [詳細] filenoseloupeNK_s.jpg 303件 [詳細] filegranzymeB_s.jpg 326件 [詳細] fileNKLflow02.jpg 1048件 [詳細] filetestisNK01_s.jpg 315件 [詳細] filepharynx02_s.jpg 296件 [詳細] fileenhaCT01_s.jpg 343件 [詳細] filepharynx03.jpg 1507件 [詳細] filetestisNK01.jpg 3163件 [詳細] fileNKL05.jpg 2527件 [詳細] filepharynx01.jpg 1034件 [詳細] fileNKL04.jpg 1348件 [詳細] filenoseloupeNK.jpg 1039件 [詳細] fileHPS01_s.jpg 323件 [詳細] fileNKLEL02.jpg 1672件 [詳細] fileNKL04_s.jpg 337件 [詳細] filepharynx02.jpg 1096件 [詳細] fileNKL03.jpg 1809件 [詳細] fileNKL03_s.jpg 320件 [詳細] filesagitalview.jpg 761件 [詳細] fileenhaCT01.jpg 1188件 [詳細] filepharynx01_s.jpg 295件 [詳細] filepharynx03_s.jpg 313件 [詳細] fileNKL05_s.jpg 321件 [詳細] filetestisNKCD3.jpg 1030件 [詳細] fileHE07.jpg 1120件 [詳細] fileCD56im_s.jpg 347件 [詳細] fileEBERpharynx01_s.jpg 320件 [詳細] fileEBERpharynx02_s.jpg 306件 [詳細] fileCD56.jpg 1026件 [詳細] fileHE09_s.jpg 317件 [詳細] fileEBERpharynx02.jpg 984件 [詳細] fileCD56pharynx_s.jpg 328件 [詳細] fileEBER-ISH02.jpg 1086件 [詳細] fileEBER-ISHok.jpg 1094件 [詳細] fileHE02_s.jpg 336件 [詳細] fileEBER-ISH02_s.jpg 314件 [詳細] fileCD3ok.jpg 886件 [詳細] fileCD56im.jpg 846件 [詳細] fileHE03_s.jpg 230件 [詳細] fileEBERpharynx01.jpg 853件 [詳細] fileCD56pharynx.jpg 954件 [詳細] fileHE07_s.jpg 222件 [詳細] fileCD20pharynx_s.jpg 206件 [詳細] fileEBER-ISHok_s.jpg 227件 [詳細] fileHE09.jpg 1215件 [詳細] fileCD3pharynx.jpg 819件 [詳細] fileHE03.jpg 981件 [詳細] fileCD56_s.jpg 229件 [詳細] fileCD3pharynx_s.jpg 202件 [詳細] fileHE02.jpg 998件 [詳細] fileCD20pharynx.jpg 896件 [詳細] fileHPS01.jpg 1781件 [詳細] fileCD3ok_s.jpg 234件 [詳細]

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Last-modified: 2017-03-27 (月) 21:06:10 (507d)