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木村病 Kimura's disease

症例

37歳男性 左耳介後部皮下腫瘤

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幼少時より両側耳介後部の皮下腫瘤を自覚. 最近腫瘤が増大し受診. 左耳介後部に可動性不良の硬い皮下腫瘤を認めた。
WBC 9400/μl, eosinophil 10%, LDH 203 IU/L, 腫瘤切除後にWBC7900/μl, eosinophil 1.6%

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病理組織所見

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66歳男性 左下腿皮下結節

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以前から右下腿皮膚に茶褐色の結節があり, 徐々に増大した。皮膚科で辺縁より1cm離して脂肪組織の深さで切除する。

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木村病の病理と臨床

木村病の病理所見*1

  • リンパ濾胞の増生を主体に, 好酸球浸潤を伴う炎症性肉芽からなる軟部腫瘤性病変.軟部腫瘤ではリンパ洞構造は見られない。
  • リンパ節病変では基本構造は保たれ, 線維化は見られない。二次リンパ濾胞の増生と種々の程度の好酸球浸潤を伴った炎症性肉芽腫の形成で肥満細胞や形質細胞の混在がある。炎症性反応性変化と同様に毛細血管やHEVなど細血管の増生がみられる
  • 好酸球性膿瘍の形成がときに見られ, 胚中心への浸潤を示すことがある。好中球・マクロファージ・組織球の出現は比較的乏しい。
  • 増生する二次リンパ濾胞はリンパ節に見られる二次濾胞と同様のもので胚中心に好酸性物質が網状に沈着する。免疫染色で同部位にIgEが染色される。胚中心には樹状細胞が増加し電顕では発達した胞体構造が認められる。
  • 肉芽部分には肥満細胞が増加している。トルイジンブルー染色で異染性顆粒は胞体内に保持される。免疫染色では膜にIgE陽性

木村病の臨牀

1937年 KimmらがMikulicz病類似のeosinophilic hyperplastic granulomaとして報告

日本では木村らが1948年「リンパ組織増生を伴う異常肉芽に就いて」を報告, 1959年飯塚らにより木村病の名称が提唱され現在に至る。木村らは軟部組織の腫瘤として報告したがリンパ節腫大を伴い, 同様の組織像を呈することからリンパ節病変としての報告もある。

  • 原因不明の疾患。東洋,特に日本に報告例が多い。
  • 男女比は6-10:1と圧倒的に男性に多い、平均年齢は35歳。10-35歳に多いが高齢者にも見られる。
  • 無痛性の腫瘤で自覚症状はとぼしい。ときに掻痒を伴うことがある。
  • 経過は10数年におよび, ときに腫瘤の消退・腫大を繰り返す。
  • 腫瘤は摘出後に約3分の1で再発し再発回数は2〜7回。間隔は数ヶ月から10数年に及ぶ再発部位は同部位または対側, ほかの部位と一定していない。
  • 合併症としてネフローゼ症候群の報告例がある。
  • 検査所見
    :好酸球増多(10-70%)。腫瘤摘出後に減少する例が多い。
    :血清IgE濃度上昇(800-3500U/ml) IgEは非特異的IgEと考えられている。

*1 高木敬三, 遠藤泰彦 病理と臨床 Vol.12臨時増刊, 383-384, 1994

添付ファイル: fileLpf01.jpg 1213件 [詳細] filefibrous.jpg 922件 [詳細] filekimura01.jpg 1035件 [詳細] fileeosinophil.jpg 1156件 [詳細] filekimura02.jpg 1013件 [詳細] filefollicle.jpg 1152件 [詳細] filefollicle02.jpg 1086件 [詳細] fileeosinoabscess.jpg 1136件 [詳細]

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Last-modified: 2014-08-29 (金) 12:41:20 (1446d)