静岡病理医会
Methotrexate-associated lymphoproliferative disease症例アーカイブ

Methotrexate-associated lymphoproliferative disease

静岡市立静岡病院病理 森木利昭

61歳女性 肺異常陰影

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39歳より慢性関節リュウマチ。4年前よりインフリキシマブ, MTXによる治療を受けている。 右側腹部痛を契機に胸部X-p検査で右下肺野に結節影を指摘され紹介受診となる。CTでは肺野に多発性結節病変が認められた。LDH236 IU/L, sIL-2R 2270U/ml. 悪性リンパ腫が疑われ経気管支生検が行われた。

病理組織所見

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気管支生検
気管支粘膜や肺胞隔はリンパ球浸潤を伴い拡大している. 浸潤リンパ球は中等大で核形不整を示すものが混在しリンパ腫の浸潤が疑われる。
CD20≧CD3, CD8>CD5>CD4, CD10-, CD30-, MIB-1 index 10-20%, EBER-ISH 少数+

浸潤リンパ球には形態、免疫染色から明らかなリンパ腫と確診できる所見はなかった。

鼡径リンパ節生検組織

PET-CTで検索すると両側肺病変以外に, 両側鼡径リンパ節に病変が認められ, 生検を行う。

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リンパ節の基本構造は消失びまん性リンパ球増殖高倍率HE像EBER-ISH 陽性細胞

高倍率HEでは中等大から大型異型リンパ球が増殖。卵円形〜不整形の核を有し大型核小体がみられる。細胞質は比較的乏しい。核分裂像が多い。
大型リンパ球はCD20>>CD3, MUM-1+, bcl-2+, bcl-6-, CD5-, CD10-, CD56-で diffuse large B cell lymphoma(DLBCL)の組織像であるが, 病歴よりMTX関連リンパ増殖症の範疇と考えられた。

鼠径部リンパ節には多数のEBER-ISH陽性細胞を認めEBV サザンブロットによりクロナールな増殖が確認され腫瘍性病変であることが確認された。*1

肺病変および鼡径リンパ節の他, 殿部, 両下肢皮膚腫瘤が出現する。真皮上下層から皮下脂肪組織まで肺と同様の大型リンパ球が出現、増生するが明らかにリンパ腫とできる所見ではない。

MTX投与を中止後、約1ヶ月で臀部下腿皮疹、皮膚腫瘤は改善消失. 約2ヶ月で肺腫瘤も著明に縮小した。LDH400 IU/L, sIL-2R 2970をピークにそれぞれ 250IU/L, 605まで低下した。以後症状なく経過観察中である。


*1 Raab-Traub N et al., The structure of the termini of the EB virus as a marker of clonal cellular proliferation Cell 47:883-889, 1986

添付ファイル: file02ingLN.jpg 633件 [詳細] file02lung01.jpg 661件 [詳細] file02EBER01.jpg 751件 [詳細] file02CT02a.jpg 584件 [詳細] file02ingLN03.jpg 661件 [詳細] file02ingLN02.jpg 686件 [詳細] file02lung03.jpg 678件 [詳細] file02CTa.jpg 572件 [詳細]

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Last-modified: 2014-08-29 (金) 12:41:20 (1508d)