リボソーム ribosome

Nucleolus 核小体

 
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ヒト核小体*1

1-3µmの不定形で1個から複数個が核内構造体(核マトリックスなど)とともに核骨格を形成している

核小体と核質との間に生体膜は存在しない. 電顕では高タンパク質濃度領域として観察される.

内部構造: 以下の3領域が認識されるが, 各部位の役割はまだ研究中.

1.顆粒部(granular component)--リボゾームRNAが成熟し核外に運ばれリボゾームの構成成分となる

2.線維状中心部(fibrillar center)--細胞分裂後の核小体形成の中心となる. リボゾームRNA遺伝子が存在し, 遺伝子よりrRNA前駆体が転写される.

3.高密度線維状部(dens fibrillar component)--リボゾームRNAの最初のプロセッシングが行われる

転写活性化したリボソームRNA遺伝子(rDNA)を中心に核小体が形成されている.(酵母ではrDNAの形状や転写状態を変化させると核小体の形態が変化することが知られている)

rDNA以外にもtRNA遺伝子が局在し, 染色体全体の配置を規定していると考えられている.*2

 

リボゾーム産生

リボゾーム産生は核小体の主要な機能. ribosomeはタンパク質-RNA複合体であり, 細胞中全タンパク質の約50%, RNAの約60%を占め, 細胞内のタンパク質とRNAの大部分はリボゾームにあるといえる.

mRNAの翻訳機能も核小体が担っているため, リボゾームの生産過程も酵母からヒトまで高度に保存されている.

リボゾームタンパク質遺伝子は全ゲノム中に散在しており(-->参照), それぞれのタンパク質は他のタンパク質同様, 細胞質のリボゾームにより翻訳され, 核に移行し, 核小体に現局してゆく.

rRNA(リボゾームRNA)は, rDNAの転写により産生される.

真核細胞のrDNAは100コピー以上よりなる巨大な反復遺伝子群を形成している.(-->参照)

rDNAからできる大小転写産物(35S, 5S)のうち, 35Sはすぐにprosessing(=splicing)され, 3つのrRNA(18S, 5.8S, 26S)になる

もう一つの転写単位である5S rRNAが加わり, 合計4種類のrRNAが約 80種類のリボゾームタンパク質と結合して大小2つのリボゾームサブユニットが組み立てられる.

ここまでの一連の作業は核小体の中で段階的に進んでいくと考えられているが, タンパク質濃度が非常に高い核小体内でいかに潤滑に行われていくかの詳細は不明.

この後大小ユニットは核小体から離れ核膜孔を通過, 細胞質中で結合してリボゾームが完成する.


*1  小林 武彦 核小体の新機能 生体の科学 2011; 62(5):412-415
*2  Thompson M et al. Nucleolar clustering of dispersed tRNA genes. Science. 2003 Nov 21;302(5649):1399-401.

添付ファイル: filenucleolus01.jpg 144件 [詳細] filenucleolus.jpg 119件 [詳細]

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Last-modified: 2018-01-04 (木) 11:47:00 (321d)