病理学会中部支部交見会

Precursor T lymphoblastic lymphoma

T細胞リンパ芽球リンパ腫/ 白血病
Tリンパ球へコミットメントが決まったリンパ芽球の腫瘍性増殖で, 芽球は小型から中型で細胞質に乏しく核小体は不明瞭であることが多い。腫瘍細胞はその他さまざまな形態をとる場合がある。リンパ節, 胸腺または節外性に腫瘤を形成して増殖し骨髄や末梢血に腫瘍細胞を認めないTリンパ芽球性リンパ腫と芽球が骨髄・末梢血に認められる急性Tリンパ芽球性白血病がある。実際はリンパ腫であっても診断時に骨髄浸潤を認めることが多い。REAL分類やWHO分類ではlymphoma, leukaemiaの区別を設けずlymphoma/leukaemiaと併記することになった。

T-ALLでは白血球数は著明に増加し, しばしば巨大縦隔腫瘍や他の臓器の腫瘍性病変を認める。
T-LBLでは前縦隔の腫瘤性病変合併が多く, リンパ節, 皮膚, 肝, 脾, 中枢神経, 生殖器に腫瘤病変が形成されることもある。

症例01

TLL02.jpg

32歳男性
平成X年6月ころ感冒様症状, 頸部リンパ節腫大が出現.近医で末梢血中に異型リンパ球が出現しているため感染症と考えられて経過をみていたが改善なし。9月当院血液内科を紹介受診. この頃頸部, 顎下リンパ節が急速に腫大した。末梢血中に異型細胞14%. 悪性リンパ腫の白血化が強く疑われ入院となる。頸部・顎下リンパ節腫大以外に症状はない。
入院時WBC17300/μl, (lymphocyte 81%, lymphoblast 13%), Hb10.4g/dl, plt 16.4x10^4, LDH 186 IU/L

病理組織所見

TLBLsmear.jpg
T-LBLHE01.jpg

核小体の明瞭な類円形あるいはpolygonalでクロマチンが繊細で淡明な核(vesicular nuclei)をもつ細胞がシート状密に増殖している。この症例では, 切れ込みやねじれのある核も出現している。正常のリンパ節構造はみられない。小型Tリンパ球(青色矢印)がわずかに混在する。(クロマチンの濃度を比較してみて)

Immunophenotype

T-LLflowcyte.jpg

リンパ節生検組織のflow cytemetryでは, 増殖細胞はCD45+, CD38+, CD34+, CD5+, CD7+, CD2が一部に陽性, surface CD3はほとんどの細胞が陰性。CD20, CD19, CD22陰性。
免疫組織染色では(下図),
TdT+, CD34+, CD3week, CD5+, CD45week, CD20-. CD3とCD45は混在する非腫瘍性リンパ球に比べて弱い染色態度を示しています。

T-LBLHE02.jpg
TdT01.jpg
CD34a.jpg
CD3a.jpg
HETdTCD34CD3
 
CD5a.jpg
LCAa.jpg
CD20a.jpg
CD5CD45(LCA)CD20

Pathological diagnosis: Precursor T lymphoblastic lymphoma/ leukaemia; immunophenotypic stage of early T precursor〜immature thymocyte.


添付ファイル: fileCD34a.jpg 933件 [詳細] fileTdT01.jpg 922件 [詳細] fileCD5a.jpg 984件 [詳細] fileCD20a.jpg 1020件 [詳細] fileTLBLsmear.jpg 1383件 [詳細] fileTLL02.jpg 931件 [詳細] fileTLL.jpg 441件 [詳細] fileLCAa.jpg 1068件 [詳細] fileT-LLflowcyte.jpg 954件 [詳細] fileCD3a.jpg 948件 [詳細] fileT-LBLHE01.jpg 1336件 [詳細] fileT-LBLHE02.jpg 968件 [詳細]

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Last-modified: 2014-08-29 (金) 12:41:20 (1331d)