静岡病理医会

第216回SPS症例01

浜松医科大学第一病理学講座 夏目宏子

臨床事項

患者: 50歳代、女性, 主訴: 不正出血, 既往歴, 家族歴: 特記事項なし
現病歴: 平成18年11月より不正出血を認め、エコー、MRI にて、右卵巣に、径3cmの、一部に、充実性病変を伴う嚢胞性病変を指摘された。腹腔鏡下両側卵巣切除術目的にて、3月、入院となる。便秘、動機、発汗過多、等の所見なし。           

現症:身長:157 cm、体重:61.3kg、体温:36.5℃、脈拍:90/分、血圧:116/75mmHg, 月経:30日型、持続:6日間
血液検査:CEA 1.9, CA19-9 7, CA125 7, SCC-AG 1.0

画像(MRI)

MRI: T1強調画像では、一部に、高信号強度を示す充実性の領域と、低信号強度の、嚢胞性の領域が、存在し、充実性の部分は、T2強調画像では、比較的低信号を、dynamic MRI平衡相では、不均一だが、子宮と同程度に、比較的よく染まる腫瘤を認め、デルモイドシストが、疑われた

MRI-T1強調MRI-T2強調
MRIT01.pngMRIT02.png

肉眼所見

平成19年3月、腹腔鏡下両側卵巣切除術施行される。卵巣は、右、21.8g、左、6.4gであった。右卵巣病変は、黄白色の充実性の部分を含んでいた

肉眼所見 右卵巣
Macro.png

組織所見

腫瘍内に、甲状腺ろ胞類似の領域(A)と、策状、充実性カルチノイドの領域(B)が、混在していた。
免疫組織学的には、異なる構造を示す両者が、神経内分泌及び、甲状腺関連の抗体に対し、共に染色性を示した。

HEchromograninAsynaptophysinCD56CD57(Leu7)thyroglobulinTTF-1
AHE01.pngchromoA.pngSynaptoA.pngCD56A.pngLeu7-CD57A.pngthyrogA01.pngTTF-1A.png
BHE02.pngchromoB.pngSynaptoB.pngCD56B.pngLeu7-CD57b.pngthyrogB.pngTTF-1B.png

Speaker's Diagnosis and comment

Diagnosis: Strumal carcinoid

Hamazakiらは、甲状腺ろ胞部分と、カルチノイド領域での、免疫組織所見の異なるovarian carcinoidの2例を、報告している。彼らの報告では、カルチノイドの領域は、thyroglobulinとTTF1に、不染であった。本症例は、形態形成と内分泌機能の、分化における相互作用、カルチノイド腫瘍の発生、分化度の多様性を、考える上で、興味深い一例と考えられた。

Vitual slide

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添付ファイル: filethyrogB.png 898件 [詳細] fileMacro.png 1015件 [詳細] fileSynaptoA.png 931件 [詳細] filethyrogA01.png 925件 [詳細] fileHE01.png 916件 [詳細] fileLeu7-CD57b.png 910件 [詳細] fileSynaptoB.png 925件 [詳細] fileCD56A.png 875件 [詳細] filechromoB.png 935件 [詳細] fileTTF-1B.png 917件 [詳細] fileMRIT01.png 1036件 [詳細] fileMRIT02.png 956件 [詳細] fileTTF-1A.png 900件 [詳細] fileCD56B.png 916件 [詳細] fileLeu7-CD57A.png 870件 [詳細] filechromoA.png 971件 [詳細] fileHE02.png 915件 [詳細]

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Last-modified: 2014-08-29 (金) 12:41:20 (1510d)