静岡病理医会

胃癌と悪性リンパ腫(T細胞性)の合併症例

聖隷浜松病院 病理 江河勇樹他

virtual slide---> 胃幽門前壁IIa+IIc lesion 右クリックで新しいウィンドウで開くと便利です。Sign as guestでログインして下さい。

70歳男性

IgA腎症の既往歴あり。内視鏡検査で胃体部小弯に35mmのIIa+IIc病変を指摘された。生検組織でgroupV, adenocarcinoma(tub1+tub2)と診断され, 幽門側胃切除が行われた。

肉眼所見とloupe像

PGTCLmacro.jpg
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幽門側前壁の3.5x2.0cm, IIa+IIc tumor. tub1,2 and mucのadenocarcinomaを認め, 嵌凹部分に一致してlymphomaの病変がある。

組織所見

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分葉核, 多型核をもつ大型異型細胞(右図, 緑色矢印)が小型リンパ球, 組織球および増加のめだつ形質細胞を背景に散在性に出現している。異型リンパ球の発見は悪性リンパ腫を否定できない所見と考える。しかしこのような明らかな異型リンパ球は少数であり, 多くはCentroblast様の細胞が多い。その他病変に出現する細胞は多彩であり、一見炎症あるいは反応性病変のような印象を与える。HEでは診断に悩む症例と考えられました。

Discussion

floar01:形態的にはlymphomaと思われるが組織を破壊する像は何かあったんでしょうか?血管や既存の腺管組織が変性を伴って破壊されている所見があったんですか?

speaker: 破壊性よりは圧排性に領域がわかれて増殖しているように見えました。

floar01: 粘膜組織にとどまっていたんですか?

chair man: 腺管の中に入っていく像というのもあんまりなかったですね。

floar02: T細胞マーカはどれくらいそまりました?こういうのって染めてみると相当数出てくるのが普通ですよね。浸潤しているリンパ球の50%以上が陽性ですか?

co-worker: それくらいはあったとおもいますが、低倍率の像はだせますか?

floar02: いや、むしろBのマーカは?

co-worker: Bは染めてはいません。部分的には形質細胞が増殖していたと…

floar02: 免染で簡単にやれるのは, あとDC8とCD4, そのどちらかにシフトするというのが、または両方が染まらないか、これは欲しいですね。
Tcellがたくさんでているというのは何らかのTcellの反応があって、そこに芽球化は当然あるわけですね。その辺の問題をもうすこしクリアされたほうがよいと思いますね。

floar03:胃癌とT細胞リンパ腫がこの領域に合併したというのは文献的にどれくらいあったんでしょうか。

speaker:

Chair man: 合併というか胃の中に別病変としてあったというのですね。

speaker: 今回のようにほぼ同じ領域に重なっているという報告はみられません。

floar04: pyloriはいませんでしたか?

speaker: pyloriの増殖はありませんでした。


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Last-modified: 2014-08-29 (金) 12:41:20 (1331d)