Renal cell neoplasm--腎細胞性腫瘍, 2016WHO新分類

腎癌診療ガイドライン

腎癌診療ガイドライン 2017*1

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腎癌の診断と治療

2-CQ3 腎癌の病期診断に胸部CT や骨シンチグラフィー,PETは推奨されるか?

  • 腎癌の病期診断に胸部CT は必要である。[gradeA]
     
  • 骨転移を疑う所見がある場合は,骨シンチグラフィーを施行することを考慮してもよい。[gradeC1]
     
  • 骨転移を疑う所見がない場合は,骨シンチグラフィーを施行することは推奨されない。[grade C2]
    骨シンチグラフィーは腎癌の病期診断のルーチン検査として施行することは推奨されず,原発巣の進展度が高く転移の可能性が高い患者あるいは骨痛や血液学的異常(Al-p増加など)を伴う等,骨転移を強く疑う患者に施行するのが妥当
     
  • PETは,遠隔転移の検索,さらにフォローアップにおける再発の診断にその有用性が報告されている。
    しかしルーチン検査としての意義についてはいまだ明らかではない。[grade C1]
     

T−原発腫瘍; UICC(Union Internationale Contre le Cancer)によるTNM分類(Sobin LH, Wittekind C Eds: TNM Classification of Malignant Tumours, 5th Edition, New York; Wiley, 1997)に準拠して記載.

TX; 原発腫瘍の評価が不可能

T0; 原発腫瘍を認めない

T1; 最大径が7.0cm以下で,腎に限局する腫瘍

  • T1a; 最大径が4.0cm以下で,(φ≦4.0cm) 腎に限局する腫瘍
  • T1b; 最大径が4.0cmをこえるが7.0cm以下(φ4.0<cm, ≦ 7.0cm) で,腎に限局する腫瘍

T2; 最大径が7.0cmをこえ(>7.0cm),腎に限局する腫瘍

T3; 腫瘍は主静脈内に進展,または同側副腎に浸潤,または腎周囲脂肪組織に浸潤するが,Gerota筋膜をこえない

  • T3a; 腫瘍は副腎または腎周囲脂肪組織に浸潤するが,Gerota筋膜をこえない
  • T3b; 腫瘍は肉眼的に腎静脈または横隔膜下までの下大静脈に進展する
  • T3c; 腫瘍は肉眼的に横隔膜をこえる下大静脈に進展する

T4; 腫瘍はGerota筋膜をこえて浸潤する

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腎筋膜, renal fascia, Gerota 筋膜

腎は表面を線維性被膜(fibrous capsule)でおおわれている. その外側は脂肪組織で囲まれる.この脂肪組織はperirenal fatとよび全体として脂肪被膜adipose capsuleという. 腎臓は, 上側にある副腎とともに, 線維性の膜に囲繞されている.

この線維性被膜は壁側腹膜の後側(腹膜後隙)の結合織が膜状を呈したもので, 腎筋膜(=Gerota筋膜)renal fascia(Gerota's fascia)といわれる. 腎筋膜は前葉と後葉にわかれ, 両葉の間に多量の脂肪組織がある. この脂肪組織が腎周脂肪組織, すなわち脂肪被膜である.

前葉と後葉は, 腎の外側方で合わさり、さらに腹壁の筋群の内面を被う「横筋筋膜」と名前を変えて、腹壁の筋の内側面の筋膜につながる。Gerota筋膜が線維膜 (tunica fibrosa) と呼ばれず筋膜と呼ばれるのは、横筋筋膜に続くからだと考えられる。

Stage I・II・III腎癌の治療

ガイドライン分野3 外科療法・局所療法

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腎部分切除術 3-CQ1〜3

  • CQ1 Stage 機き兇凌婀發紡个垢訖嫖除術において腹腔鏡手術は推奨されるか?[推奨グレードB,C1]
  • CQ2 腫瘍径4 cm 以下(T1a)の腎癌患者において腎部分切除術は推奨されるか?[推奨グレードA]
  • CQ3 腹腔鏡手術で腎部分切除困難な腫瘍に対するロボット支援腎部分切除術は推奨されるか?[推奨グレードC1]--ロボット支援手術システム da vinciXi(浜松医科大学) 右図
  • European Association ofUrology(EAU),National Comprehensive Cancer Network(NCCN)等のガイドラインでは,
    4cm以下のT1a腫瘍にはできる限り腎部分切除術を選択し, 4-7cmのT1b腫瘍に対しても可能であれば腎部分切除術を実施するよう推奨している。
  • 小径腎腫瘍に対する腎摘除術と腎部分切除術後の治療成績を比較すると,制癌性は両術式とも同等であるが*2*3
    腎摘除術を施行した場合,腎機能障害による合併症等により腎部分切除術に比し全生存率が低下することが明らかになってきた*4*5 
  • 腎部分切除の術式としては,開放手術,腹腔鏡手術,ロボット支援手術が選択できる。ロボット支援腎部分切除術は, 2016年4月に保険収載された

根治的腎摘除術

T1a/ T1b症例でも,腎部分切除術が困難な場合(完全埋没腫瘍あるいは腎門部腫瘍に対する腎部分切除術は高難度の手技)は腎摘除術の適応となる。このような患者では多くの場合腹腔鏡手術が選択され,現在では標準術式となっている。開放手術に比して制癌性は同等で,低侵襲で術後の回復が早いとされている.*6*7 (機

  • 腫瘍の大きさが7cmを超えるT2 腫瘍に対しても腹腔鏡手術が選択可能であるが,腫瘍が大きい場合は術野の広い経腹膜到達法が適切である。腫瘍が大きくなるほど難易度が高くなるため,10cmを超えるような腫瘍の場合腹腔鏡手術の習熟が不十分であれば開放手術を選択する方が好ましい*8
  • CQ5 根治的腎摘除術においてリンパ節郭清は推奨されるか?[推奨グレードC2,B]
    画像上リンパ節転移を認めない場合は,一般的にリンパ節郭清は行われない1画像上リンパ節転移が疑われる場合は,予後の改善を期待してリンパ節郭清を施行する13)。開放手術,腹腔鏡手術のいずれも選択できるが,腹腔鏡手術の習熟が不十分な場合は開放手術を選択する。
  • CQ6 腎癌に対する腎摘除術において患側の副腎温存は推奨されるか?[推奨グレードC1]
    副腎への転移・浸潤が疑われない場合,予後の改善が期待できず, 副腎機能が低下する可能性も考慮し,最近では副腎を温存する傾向にある15,16. 腫瘍と同側の副腎への転移・浸潤が疑われる場合は副腎も同時に摘除する.術式は開放手術,腹腔鏡手術ともに選択可能である。
  • CQ7 下大静脈腫瘍塞栓を有する腎癌患者に対する腫瘍塞栓摘除術は推奨されるか?[推奨グレードC1]
    • 腎静脈〜下大静脈に腫瘍塞栓を認める場合は,通常開放手術の適応となる。腎静脈腫瘍塞栓の進展度によっては経腹膜到達法による腹腔鏡手術も可能であるが,一般的ではない。
  • 下大静脈まで腫瘍塞栓が進展している場合,転移を認めなければ腎摘除術が推奨される が,腫瘍塞栓の程度,全身状態,合併症の有無等によりその適応を慎重に判断するべきである
  • CQ9 小径腎腫瘍に対する経皮的局所療法は推奨されるか?[推奨グレードC1]
    小径腎腫瘍に対して低侵襲治療としてRFAや凍結療法が施行されてきた. 2011年に凍結療法が保険収載された。合併症を有する場合やvon Hippel-Lindau(VHL)病等の遺伝性疾患における多発性・再発性腎癌等に実施されている。

StageIV腎癌の診療と治療

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外科・放射線療法

  • CQ4 転移性腎癌症例において腎摘除術は推奨されるか?[推奨グレードB]
  • 有転移例における腎摘除術については,サイトカイン療法時代には,予後の改善が期待できるため全身状態が良好な場合は全身薬物療法を施行する前に腎摘除術が施行されてきた。分子標的薬時代においても腎摘除術により予後の改善が期待できるとされているが*9,全身状態不良例やpoor risk患者,多臓器に大きな転移を有する症例等においては予後の改善が期待できず治療開始が遅れるため,分子標的治療が先行されることがある。転移巣が単発で切除可能な場合は,原発巣と転移巣を同時に切除する場合もある。
  • CQ8 転移巣に対する外科療法は推奨されるか?[推奨グレードB]
    • 診断時に転移を認める場合あるいは腎摘除術後に転移が出現した場合,転移巣の完全切除が可能であれば予後の改善・根治が期待でき,外科的切除の選択が考慮される*10*11
  • 薬物療法では完全治癒は困難であるが,手術の場合は根治が得られる可能性がある。肺転移では,複数であっても少数で完全切除が可能な場合は手術を選択することがある*12
  • リンパ節転移,膵転移,副腎転移も切除可能であれば手術により根治や長期無再発が期待できる。下肢や上肢の骨転移の場合も予後やQOLの改善が期待できる。
  • 肝転移,脳転移,脊椎骨転移等も,他臓器に転移がない場合には外科的切除を検討する価値はあるが,完全切除が困難な場合が多い。一方,全身状態不良,多臓器転移,完全切除が不可能な場合等は,外科療法の適応はない。
  • CQ10 腎癌転移巣に対する放射線療法は推奨されるか?[推奨グレードB,B]
  • 転移巣に対する定位放射線療法は,予後,QOLの改善が期待できる。
  • 骨転移による疼痛を認める場合,放射線療法により病勢や疼痛のコントロールが期待できる*13*14.
  • 脳転移では転移数が少ない場合や病巣が小さい場合はガンマナイフ等の定位放射線療法により病勢および症状のコントロールが期待できる*15*16.分子標的薬との併用により効果の増強が期待できるとの報告もある.*17

腎癌の転移巣は, 肺, 骨, 肝, 膵, リンパ節認められる. 腎癌の特徴として, 転移巣に対する切除術の有用性が報告されている*18.
特に, 原発巣摘除から再発・転移出現までの期間が2年以上の経過が長い症例*19, また転移巣を完全切除できた症例において, 予後改善に寄与していると報告されている.*20

進行腎癌の予後予測因子による治療法選択

2-CQ5; 進行腎癌の予後予測因子による治療法選択は推奨されるか?

MSKCC分類;*21成立は分子標的薬ができる以前のretrospectiveな解析であるが, 分子標的薬時代においても生命予後と関連していることが多数例での検証で証明されている.*22

  • MSKCC (Memorial Sloan Kettering Cancer Center)リスク分類を日本人の転移性腎細胞癌に適用する場合,
    MSKCCリスク分類のintermediateリスク群とpoorリスク群には、より予後良好な患者が含まれていることからMSKCCリスク分類の使用にあたっては、十分な注意が必要である*23

IMDC分類;vascular endothelial growth factor(VEGF)標的治療薬による治療を施行した転移性腎癌患者の成績を解析して生命予後と関連する因子を同定し提唱された分類. *24*25

JMRC分類; 日本人を対象にした予後予測因子分類(2012, 2015年) *26*27

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  • JMRC分類による分子標的療法時代の日本人有転移腎癌の予後予測*28
  • 予後不良因子として 1. 腎癌診断から初回全身治療開始までの期間、2. 貧血、3. 高LDH血症、4. 予後不良転移臓器(骨単独、肝単独、多臓器転移)を用い、
  • 予後良好favourable(F群;因子0,1個)、中間intermediate (I群;因子2個)、不良poor(P群;因子3,4個)の3群に分類。
  • 国内23施設で2008-2010年に治療を開始した有転移腎癌370例(男 282例、女 88例;年齢中央値65歳)が対象.
  • 腎癌診断時有転移 217例(59%)、腎摘既施行 306例(83%)、単一臓器転移 160例(43%)。
  • 初回治療として、サイトカイン124例(うちIFN-α116例)、分子標的薬233例(うちsunitinib 148例、sorafenib 66例)、その他を13例に施行。観察期間中央値は34か月。本研究のエンドポイントは初回全身治療開始時からのProgression-free survival (PFS)、Overall survival (OS)。予後予測因子としてJMRC分類(Shinohara N, et al. Cancer Sci 2012)を用いた。
  • 全症例でのPFS中央値は9か月、OS 27か月。初回治療法別解析ではPFS中央値がサイトカイン投与例で5か月、分子標的薬投与例11か月で、分子標的薬で長い傾向を認めた(p=0.052)。
  • OSはサイトカイン投与例 38か月、分子標的薬投与例 23か月。JMRC分類別解析では、PFS中央値がF群(85例) 16か月、I群(146例) 10か月、P群(131例) 6か月(p=0.002, c-index 0.62)、OS中央値がF群60か月、I群31か月、P群14か月(p<0.001, c-index 0.64)であった。
  • 治療法別にJMRCリスク分類を適応すると、サイトカイン投与例でPFS中央値がF群(40例)15か月、I群(52例) 5か月、P群(27例) 4か月(p=0.011)、OS中央値がF群 59か月、I群28か月、P群18か月(p=0.0009)。一方分子標的療法投与例でもPFS中央値がF群(41例)18か月、I群(88例) 13か月、P群(102例) 7か月(p=0.013)、OS中央値がF群 53か月以上、I群30か月、P群14か月(p<0.001)であった。
  • 今回の検討から分子標的療法時代の日本人有転移腎癌の予後が明らかになった。JMRC分類は初回サイトカイン投与例のみならず分子標的薬投与例でも、PFS,OSについて予後良好、中間群、不良群の3群に分類できる優れた予後予測分類であることが示された。
     

全身療法・薬物療法

4-CQ3〜7

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ソラフェニブ(商品名 ネクサバール)

  • 2008年本邦で最初に承認された分子標的治療薬. 経口投与が可能なマルチキナーゼ阻害薬.
  • 腫瘍細胞増殖に働く, mitogen-activated protein(MAP)キナーゼ阻害に加えて, VEGF受容体, PDGF受容体活性を合わせて阻害することにより優れた臨床効果を示す
  • 第形蟷邯(TARGET試験)によりプラセボ群に比較して有意に無増悪生存期間が延長した.*29
  • 腎機能障害例や75歳以上の高齢者では投与を考慮する, 安心して投与できる薬剤.*30*31

スニチニブ(商品名 スーテント)

  • 受容体型チロシンキナーゼ阻害する低分子化合物であり, 特にPDGFR受容体, VEGF受容体, 幹細胞受容体, RET受容体の活性を阻害する.
  • 国内では, 転移性腎細胞癌とイマチニブ抵抗性のGISTに保険適応となっている.
  • 50mg/1xT, PO, 4週間継続し, 2週間の休薬を1サイクルとする. 日本人では50咾魴兮海任る症例はあまり多くなく, 37.5咾25咾燃始する症例がほとんどであり, 日本人での適切な投与量には検討の余地が残っている.
  • 強力な抗腫瘍効果をもち, 現在までの腎細胞癌に対する分子標的治療薬の中核をなす薬剤. First-lineで使用されることが多い.
  • スニチニブとインターフェロン(IFN)の第形蠢宛き無作為化試験では, PFSはスニチニブ群11ヵ月vsIFN群5ヵ月と有意な延長が認められている(p<0.0001)

アキシチニブ(商品名 インライタ)

  • インダゾール誘導体の受容体型TKI. PDGF受容体, VEGF受容体, 幹細胞受容体などをターゲットとする経口薬である.
  • VEGF受容体サブタイプのいずれに対しても阻害効果がある. またVEGF受容体活性50%阻害濃度は他のVEGFR-TKIと比較しても非常に低いと基礎実験で確かめられている.
  • (AXIS1032試験)

パゾパニブ (商品名 ヴォトリエント) 血管新生阻害作用をもつ, 新たな経口マルチキナーゼ阻害薬.

  • パゾパニブ投与群全体のPFS 9.2ヵ月vs プラセボ群4.2ヵ月. サイトカイン治療歴の有無にかかわらず有意にPFSが改善した.(第形蟷邯; 435例の進行性腎細胞癌;202未治療例と233例のサイトカイン治療後症例)
  • パゾパニブvs スニチニブの患者さん嗜好を直接比較検討する二重盲検無作為化試験(PISCES)では, QOLが高いこと疲労感が少ないことからパゾパニブを嗜好する患者さんが優位に多い. パゾパニブは良好な忍容性を示す薬剤と考えられた.

mTOR阻害薬

mTOR経路は PI3K/Aktシグナル経路における中心的要素で, 血管新生, 細胞増殖, 代謝などに不可欠な多くの生物学的過程の調節因子である.*32
mTORキナーゼの阻害によりAkt経路の下流シグナルが遮断され, タンパク質翻訳や細胞増殖が抑制される.--->PI3K-Akt-mTOR経路について

mTORは血管新生に重要な役割を担い, 特にRCCでは, VHL遺伝子の欠損により発現亢進するHIF-1の発現を調節する.

テムシロリムスとエベロリムスは, 天然物質シロリムス(ラパマイシン)の化学的誘導体でありラパログ(ラパマイシンアナログ)と呼ばれる.シロリムスはT細胞に作用し, 免疫抑制作用を示し, 臓器拒絶反応を抑制する薬剤として10年以上前に承認されている.
さらに, シロリムスは血管内皮細胞に対して強い増殖抑制作用を示し, 冠動脈再建術後の再狭窄を防ぐ薬物溶出ステントにもちいられている.

mark-Or.jpg エベロリムス(商品名 アフィニトール)

  • mTOR阻害薬. 経口薬. 適応; 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌, 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫, 神経内分泌腫瘍, 手術不能又は再発乳癌, 結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫
     
    エベロリムスはサーティカイン錠の名称で免疫抑制剤として2007年3月より発売. アフィニト−ル錠は同じエベロリムスが主成分で2012年11月に抗悪性腫瘍剤として同じくノバルティスファーマより発売. 10mg/ 1xT, を腎細胞癌、乳がん、神経内分泌腫瘍にもちいる.
     
  • 腎細胞癌においては, TKIによる治療後に増悪が認められた症例に関して投与が推奨される.
     
  • 第形蟷邯(RECORD-1試験, 2008年)*33;ソラフェニブやスニチニブによる治療後進行を認めた症例に対し, second-line以降の治療における有効性がプラセボ群と比較. PFS エベロリムス4.90ヵ月vs プラセボ群1.87ヵ月.(HR;0.33,95%CI 0.25-0.43).
    エベロリムス群で, 死亡や増悪のリスクが67%低下していることが示された.
  • OSはプラセボ群(14.4ヵ月)がクロスオーバーしたために有意差がなかったが, 時間依存型共変量解析補正でプラセボ群 10.0ヵ月となりエベロリムス14.8ヵ月がより長期であった.

mark-Or.jpg テムシロリムス(商品名 トーリセル)

  • mTOR阻害薬. 注射約
     
  • 第形蟾餾欟ζ盈彎音邯. poor risk群でかつ治療歴のない進行性腎細胞癌が対象.(626例, 単独, IFN併用, IFN単独で比較)
     
  • テムシロリムス群10.9ヵ月vs IFN単独7.3ヵ月. p=0.0083で有意に改善. poor risk群にはテムシロリムスが推奨される.
     
  • 有害事象として, 無力症, 発疹, 貧血, 悪心, 高脂血症, 食欲不振, 口内炎, 粘膜炎が観察された. 重篤な副作用に間質性肺炎がある
     
  • テムシロリムスの治療効果を予測する因子として治療前のLDH値や, コレステロール値の可能性が指摘されている.

CQ3進行腎癌に対する一次分子標的治療は何が推奨されるか?[推奨グレードA,B]

  • MSKCC 分類favorable risk,intermediate riskの淡明細胞型腎細胞癌については,スニチニブ,パゾパニブが推奨される。
  • MSKCC分類poor riskの淡明細胞型腎細胞癌については,テムシロリムスとスニチニブが推奨される。

CQ4二次薬物療法としての分子標的治療は何が推奨されるか?[推奨グレードA,C1,B,B]

CQ5進行腎癌に対する三次治療以降の分子標的治療は何が推奨されるか?[推奨グレードB,C1]

CQ6進行腎癌に対する免疫療法は推奨されるか?[推奨グレードA,C1]

CQ7非淡明細胞型腎細胞癌に対する薬物療法は何が推奨されるか?[推奨グレードC1,C1]

 

腎癌 診療ガイドライン 2017年版 日本泌尿器科学会

2017年度版-->PDF

1-危険因子・予防 総 論

CQ1 腎癌の発症について,肥満・職業・生活習慣・環境・遺伝因子に注意を喚起することは推奨されるか?[C1, B]

CQ2 腎癌の早期発見にどのような検査が推奨されるか?[B, C2]

2-診断

CQ1透析患者における腎癌のスクリーニングは推奨されるか?[C1]

CQ2 腎腫瘍の生検はどのような場合に推奨されるか?[C1]

CQ3 腎癌の病期診断に胸部CTや骨シンチグラフィー,PETは推奨されるか?[A, C1, C2, C1]

CQ4 腎癌の予後予測因子としてCRPは推奨されるか?[C1]

CQ5 転移進行腎癌の予後予測因子による治療法選択は推奨されるか?[C1]

3-外科療法・局所療法

総論

CQ1 Stage 機き兇凌婀發紡个垢訖嫖除術において腹腔鏡手術は推奨されるか?[ B, C1 ]

CQ2 腫瘍径4cm以下(T1a)の腎癌患者において腎部分切除術は推奨されるか?[ A ]

CQ3 腹腔鏡手術で腎部分切除困難な腫瘍に対するロボット支援腎部分切除術は推奨されるか?[ C1 ]

CQ4 転移性腎癌症例において腎摘除術は推奨されるか?[ B ]

CQ5 根治的腎摘除術においてリンパ節郭清は推奨されるか?[ C2, B ]

CQ6 腎癌に対する腎摘除術において患側の副腎温存は推奨されるか?[ C1 ]

CQ7 下大静脈腫瘍塞栓を有する腎癌患者に対する腫瘍塞栓摘除術は推奨されるか?[ C1 ]

CQ8 転移巣に対する外科療法は推奨されるか?[ B ]

CQ9 小径腎腫瘍に対する経皮的局所療法は推奨されるか?[ C1 ]

CQ10 腎癌転移巣に対する放射線療法は推奨されるか?[ B, B ]

4-全身治療

総 論

CQ1 腎癌に対する術前補助薬物療法は推奨されるか?[ C1 ]

CQ2 腎癌に対する根治的腎摘除術後の再発予防のために補助薬物療法は推奨されるか?[ C2 ]

CQ3 進行腎癌に対する一次分子標的治療は何が推奨されるか?[ A, B ]

CQ4 二次薬物療法としての分子標的治療は何が推奨されるか?[ A, C1, B, B ]

CQ5 進行腎癌に対する三次治療以降の分子標的治療は何が推奨されるか?[ B, C1 ]

CQ6 進行腎癌に対する免疫療法は推奨されるか?[ A, C1 ]

CQ7 非淡明細胞型腎細胞癌に対する薬物療法は何が推奨されるか?[ C1, C1 ]

5-病 理

総論

CQ1 病理組織学的な予後因子としてどのようなものが推奨されるか?

CQ2 転座型腎細胞癌の診断にはどのような検査法が推奨されるか?

CQ3 透析腎癌を特徴づける病理学的因子としてどのようなものが推奨されるか?

6-フォローアップ

総論

CQ1 早期の腎癌患者に対して監視療法は推奨されるか?[ C1 ]

CQ2 根治的腎摘除術後のフォローアップの際にどのようなプロトコールが推奨されるか?[ C1 ]

推奨グレード*34 A; 強い科学的根拠があり,行うよう強く勧められる。

B; 科学的根拠があり,行うよう勧められる。

C1;科学的根拠はないが,行うよう勧められる。

C2;科学的根拠がなく,行わないよう勧められる。

D 無効性あるいは害を示す科学的根拠があり,行わないよう勧められる。

「推奨グレード」は,臨床研究ならびに疫学的研究等の文献から得られた情報を根拠とするもので,まず .┘咼妊鵐好譽戰
同じ結論に至るエビデンスの多さ,ばらつきの少なさでエビデンス総体の強さを評価し,さらに
N彎嘉有効性の大きさ
の彎仮紊療用性の広さ
ス臺讃匹両なさ,
Π緡泥灰好箸梁寝
の順で検討し,委員会による討議に続く挙手多数をもって決定された。

推奨グレードAの根拠となるエビデンス総体の強さは,少なくともエビデンスレベル気慮Φ罎あること,

推奨グレードBは少なくとも2つ以上のエビデンスレベル兇泙燭廊靴慮Φ罎あることを条件とした。


*1  腎癌診療ガイドライン 2017年版 - 日本泌尿器科学会; http://www.urol.or.jp/info/guideline/data/29_renal_cancer_2017.pdf
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*3  Van Poppel H, et al. A prospective, randomised EORTC intergroupphase 3 study comparing the oncologic outcome of elective nephron-sparing surgery andradical nephrectomy for low-stage renal cell carcinoma. Eur Urol. 2011; 59: 543-52(. 供
*4  Zini L, et al. Radical versus partial nephrectomy: effect on overall and noncancer mortality. Cancer. 2009; 115: 1465-71(. b)
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*28  演題番号 : O17-1 分子標的療法時代における日本人有転移腎癌の予後=JMRC分類の有用性 第52回癌治療学会 2014横浜 口演17 腎 分子標的治療 [筆頭演者]篠原 信雄:1 [共同演者]小原 航:2、立神 勝則:3、内藤 整:4、神波 大己:5、高橋 正幸:6、村井 祥代:1、大庭 幸治:7、安部 崇重:1、内藤 誠二:31:北海道大学大学院医学研究科腎泌尿器外科、2:岩手医科大学医学部泌尿器科、3:九州大学大学院医学研究院泌尿器科、4:山形大学医学部泌尿器科、5:京都大学医学部泌尿器科、6:徳島大学医学部泌尿器科、7:北海道大学病院
*29  Escudier B, et al.; TARGET Study Group.Sorafenib in advanced clear-cell renal-cell carcinoma. N Engl J Med. 2007 Jan 11;356(2):125-34. Erratum in: N Engl J Med. 2007 Jul 12;357(2):203.PMID:17215530
*30  Tatsugami K, et al.Evaluation of efficacy and safety of sorafenib in kidney cancer patients aged 75 years and older: a propensity score-matched analysis. Br J Cancer. 2018 Jul;119(2):241-247 .PMID:29891937
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*32  Gibbons JJ, et al. Mammalian target of rapamycin: discovery of rapamycin reveals a signaling pathway important for normal and cancer cell growth. Semin Oncol. 2009 Dec;36 Suppl 3:S3-S17. PMID:19963098
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*34  Minds診療ガイドライン選定部会(監).Minds診療ガイドライン作成の手引き2007.東京:医学書院;2007.p.16.より転載

添付ファイル: filemark-Or.jpg 34件 [詳細] fileEAU2017.jpg 34件 [詳細] fileGerotafascia.jpg 37件 [詳細] fileprognosis factor-mRCC.jpg 30件 [詳細] fileda vinciXi.jpg 31件 [詳細] fileRCC-guideline2017B.jpg 34件 [詳細] fileRCC-guideline2017A.jpg 41件 [詳細]

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Last-modified: 2019-06-13 (木) 13:46:37 (69d)