[[PathologyAtlas]]

*Barrett esophagus (バレット食道)の診断 [#fe6d703b]
田久保海誉先生の講演から

**Barrett食道の診断 [#v49b196d]
''&color(blue){内視鏡での診断};''
+''円柱上皮下の縦走血管'':生検は不要で,これのみで確定診断とできる。ただし扁平上皮と噴門腺は重複しているので制限があるのではないかと考えられる。
+''円柱上皮内の扁平上皮島'':Pathognomonicで確定診断とできる。ヨード染色が有効で生検は不要である。
+''胃fold上端から食道方向への円柱上皮'':かなり確実だが日本人ではフォールドの上端が不明瞭なことが多い

#ref(BarrettVasc01.jpg,around,30%)
食道下部縦走血管:下部食道の2-3cmにわたり食道粘膜内を縦走し胃には認めない。~
その下端がECJとされる。写真はshort segment Barrett esophagusの例

#img(,clear)
''&color(red){生検・手術での診断};''
+''固有食道腺と導管が円柱上皮部位に存在する'':確定診断
+''円柱上皮下の粘膜筋板二重化'':かなり確実な所見,8割はあたり
+''Barrett食道に高頻度な化生性変化所見''の存在:かなり不確実


''&color(brown){固有食道腺(Esophageal Glands Proper:EGP)とは何か};''
-固有食道腺は&color(blue){常に扁平上皮から誘導され};胎生7ヶ月に食道上皮が扁平上皮化した後発生する(JohnsonFP J Anat, 1910)
-固有食道腺は3-4個/cm2食道粘膜の頻度で存在する(Takubo K et al. Acta Pathol Jpn,1981, Esophagus 2003)
-固有食道腺の開口を円柱上皮粘膜に認めることはCLEの疾患固有の所見である(Takubo K et al. Esophagus 2003~
CLE; columnar lined esophagus

''EGPは常に扁平上皮から誘導されてできる腺で, その存在は必ず一度は粘膜内に扁平上皮があったという印であり食道固有の構造である。''
''EGPは常に扁平上皮から誘導されてできる腺で, その存在は&color(red){''必ず一度は粘膜内に扁平上皮があった''};という印であり食道固有の構造である。''

>扁平上皮島連続切片の観察では,すべての扁平上皮島は固有食道腺と導管を介して結合している~
小さな扁平上皮島はProton Pump Inhibitor(PPI)治療により''扁平上皮島は拡大する''
(Coad RA, et al. J Pathol 206:388-, 2005)
>固有食道腺の開口部は必ず扁平上皮で囲まれており, 食道腺の上皮が進展しBarrett上皮ができるとする由来説は誤りである。


''&color(brown){食道胃接合部に認められる新たな化生性変化};''

''1. 膵化生(Pancreatic metaplasia)''~
-Barrett食道の中にあり膵液を実際に出している~
>Doglioni C et al. Am J Surg Pathol 1993~
Wang HH, et al. Am J Surg Pathol 1996~

-Crackleware esophagus:扁平上皮が強く角化して肥厚している状態を呼び膵化生の存在と関連する~
>Westerterp M, et al. J Clin Pathol 2007


''2. 扁平上皮化生様の変化 ( Squamous metaplasia-like change〔SMLC〕, 多層上皮=Multilayered epitheliuとも呼ぶ )''
-気道上皮に似ており気道上皮化生と私は主張しています(Dr.Takubo Acta Pathol Jpn 1981, Am J Surg Pathol29;211-, 2005ほか)
-Cilliaが光顕,電顕で確認できる例がある
-出現は49%(43EGJsの中)で日本人に多い
-ケラチン抗体8種類とチュブリンの免疫染色は気道上皮に類似していた
-Odze'sのグループはBarrettの前駆病変と主張するが日本人での出現頻度が高くBarrettの前駆病変であるわけがない


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