[[WikiPathologica]] *骨髄病理の基礎 [#g4d268bf] **骨髄の構造 [#o84d0dd7] ''骨髄は造血細胞と間質組織からできている'' ***骨髄造血細胞 [#tf7adf41] -[[赤血球系造血細胞>erythroid cells]] -顆粒球系造血細胞 -巨核球系(栓球系)造血細胞 ***骨髄間質組織 [#nc0bee46] -間質組織は細網組織, 脂肪組織, 血管系, 神経組織から構成されており, 造血細胞は静脈洞と静脈洞、静脈洞と骨組織のあいだに存在する細網組織と細網線維のネットワーク内に充満している。細網組織は細網細胞, 細網線維, マクロファージなどから成る。 --[[骨髄間質組織>bone marrow stroma]] ***血球と血管の発生 [#td31e608] --[[造血および血管の発生>development of hematopoiesis]] *血液悪性腫瘍の講義 [#kf6492fb] **WHOの血液腫瘍性疾患分類 [#p820485c] &color(green){''2008年WHO分類''}; 最新版の分類。 *3年生第一病理血液病理学対策 [#h6b58bee] ''3年生血液病理試験過去問題 hematopathology'' ***bcr-abl融合遺伝子について正しい組み合わせはどれか答えなさい。 [#ofb97d3b] 1. t(9; 22)転座により発生する~ 2. 産生蛋白は治療の標的となる~ 3. フィラデルフィア染色体は転座により派生した9番染色体をいう~ 4. CMLのみに認められ疾患特異性が非常に高い~ 5. CMLの急性転化時には消失する~ a. 1, 2 b. 2,3 c. 4,5 d.1,3 e. 2,4 ***40歳成人男性の正常骨髄で正しいのは [#d34dfda9] a. 肋骨には造血骨髄が認められる。~ b. 脂肪/造血細胞比は3:1である。~ c. myeloblastは約30%を占める。~ d. リンパ球はほとんど見られない。~ e. 赤芽球系細胞が顆粒球系細胞よりも多いのが正常である。~ ***造血細胞の分化、増殖について正しいのはどれか [#y5d59a5a] 1. リンパ球は多機能分化細胞からは分化しない。~ 2. 赤血球, 血小板には核がみられない。~ 3. 造血幹細胞は臍帯血内にも存在する。~ 4. 顆粒球は末梢血内でも増殖・分化する。~ 5. 芽球は異常な細胞であり骨髄内には一般に存在しない。~ a. 1,2. b. 2,3 c. 3,4 d. 4,5 e. 1,5 ***骨髄内細胞に発現する表面抗原で正しい組み合わせはどれか [#b357b83e] 1. 顆粒系細胞--CD13, CD33~ 2. 赤芽球系細胞--CD235a~ 3. 形質細胞--CD14, CD68~ 4. 単球系細胞--CD13, CD14~ 5. 栓球系細胞--CD41, CD42~ ***フローサイトメトリー検査でCD45陽性細胞99%, CD19およびCD20, kappa-ligh chain陽性細胞が各々90%であった。以下のどの診断が最も適切か [#e8bc5f84] 1. 急性骨髄性白血病~ 2. 慢性骨髄性白血病~ 3. B細胞性悪性リンパ腫~ 4. 転移性大腸癌~ 5. 骨髄異形成症候群~ ***ごく少数の遺残白血病細胞を検出するMDRで適切なのはどれか [#z86310d0] 1. 電子顕微鏡はよくMDRに用いられる~ 2. RT-PCRではキメラ遺伝子の検出ができない~ 3. FISH (fluorescence in situ hybridization)の感度はPCRよりも高い~ 4. flowcytometryの感度はFISHよりも高い~ 5. PCRで遺残白血病細胞が陰性のときは寛解としてよい~ a. 1,2. b. 2,3 c. 3,4 d. 4,5 e. 1,5 ***40歳男性。末梢血では顆粒球減少を認めた。骨髄では造血細胞の占める割合(cellularity)が80%, 増殖細胞は顆粒に富む前骨髄球様細胞であった。この腫瘍細胞によく認められる所見はどれか [#hb7889e0] 1. PAS陽性顆粒~ 2. esterase陽性~ 3. Howel Jolly 小体~ 4. faggot~ 5. t(15;17)転座~ a. 1,2. b. 2,3 c. 3,4 d. 4,5 e. 1,5 ***80歳男性。 末梢血では著明な汎血球減少症を認めた。骨髄では造血細胞の占める割合(cellularity)が80-90%である。骨髄内芽球は2%未満であった。もっとも可能性の高い疾患は次のうちどれか~ [#t469eaf4] a. aplastic anemia~ b. chronic myelocytic leukaemia(CML)~ c. acute myelocytic leukaemia with t(8;21)~ d. essential thrombocytemia~ e. myelodysplastic syndrome~ ***骨髄異形性症候群Myelodysplastic syndrome(MDS)について正しい組み合わせはどれか [#x69de35b] 1. 染色体異常は通常検出されない。~ 2. 骨髄に出現する芽球の割合は30%未満である。~ 3. 無効造血による骨髄の造血細胞低形成が特徴的である~ 4. 白血病への移行はまれである~ 5. フィラデルフィア染色体が認められる頻度が高い a. 1,2. b. 2,3 c. 3,4 d. 4,5 e. 1,5 ***Acute leukaemiaについて正しいのはどれか [#w50960d6] a. 白血病症例のの30%はAcute leukaemiaである。~ b. 末梢血では血液細胞数が減少することが多い。~ c. 腫瘍細胞の寿命が異常に延長している。~ d. 慢性骨髄性白血病の急性転化で起きるAcute leukaeminaは骨髄性のみである。~ e. 著明な脾腫を示す症例が多い~ ***造血と骨髄組織所見について正しいものはどれか [#s9cb35b2] a. 胎児期の造血器官は主にyolk sacである。~ b. 胎児期の肝臓では赤芽球のみが産生される。~ c. 新生児の骨髄のcellularity(骨髄腔をしめる造血細胞の割合)は, ほぼ100%である~ d. 80歳の成人骨髄のcellularityは50%である~ e. 成人骨髄のM/E比は5以上が正常である~ ***Acute promyelocytic leukaemia(前骨髄球性白血病)について正しい記載はどれか。 [#l465cd46] a. 末梢血では著明な白血球増多を見ることが多い。~ b. フィラデルフィア染色体が確定診断の有力な所見となる~ c. 主な骨髄増殖細胞はmyeloblastで, myeloperoxydaseが強陽性となる。~ d. DICを高率に合併し, 2009年現在最も予後不良の白血病である。~ e. a-dはすべて正しい。~ f. a-dはすべて誤り。~ ***Chronic leukaemiaとAcute leukaemiaについて正しい選択肢はどれか [#ece286d5] 1. 白血病発生症例の70%はchronic leukaemiaである。~ 2. 腫瘍細胞の寿命が延長しているのはAcute leukaemiaのほうである~ 3. 著しい末梢血白血球増多を示す場合はAcute leukaemiaの方が多い~ 4. 骨髄組織に芽球が多数出現するのはchronic leukaemiaである~ 5. フィラデルフィア染色体はAcute leukaemiaには出現しない~ 6. 1-5 はすべて誤りである~ 7. 1-5はすべて正解である~ ***慢性骨髄性白血病(CML)についてA-Dで正しい記載はどちらか答えなさい。 [#zf2e1f77] A. CMLは改訂WHO分類で, [a. myeloproliferative neoplasia]に分類される。臨床症状はほとんどみられず、健康診断で[b. 末梢血赤血球増多polycytemia]を契機として病院を受診することが多い。 B. CMLの骨髄所見は脂肪細胞がほとんど見られないhypercellular marrowを示し, 通常M/E比は10[a. 以上], [b.未満]のことが多い。 C. フィラデルフィア染色体は[a. t(15:17)], [b. t(9:22)]と現される転座からなる D. CMLのoncogeneであるbcr-abl融合遺伝子の活性は[a. rituximab], [b. imatinib]により抑制される。 ***Acute leukaemiaについて正しいのはどれか [#m1999204] 1. Acute myelocytic leukaemia(AML)の芽球はmyeloperoxydase(MPO)染色陰性となる ことが多い~ 2. Acute lymphoblastic leukaemia(ALL)は小児に多い疾患である~ 3. レチノイン酸(ATRA)による分化誘導療法はt(8;12)転座を示すAMLに効果を示す~ 4. t(8;12), Inv(16), t(15;17)などの染色体異常を示す急性白血病は予後不良 群に分類される~ 5. 著明な脾腫を示す症例が多い~ ***遺伝子,染色体について正しいものはどれか [#q1173e30] 1. イントロンは転写されることはなく, アミノ酸への翻訳もない。 2. がんの体細胞遺伝子変異の多くは遺伝する。 3. t(8;12)(q21;p32)では8番染色体短腕と12番染色体の長腕が転座している。 4. DNAは末梢血赤血球から採取できる。 5. ヒトゲノムには約10万の遺伝子が認められる。 6. DNAのメチル化により遺伝子発現が制御されている。 **Link [#w09bd6e1] -[[ヴァージニア大学血液アトラス:http://www.healthsystem.virginia.edu/internet/hematology/hessidb/alphabeticalglossary.cfm]] -[[ヴァージニア大学血液アトラス2:http://www.healthsystem.virginia.edu/internet/hematology/HessIDB/home.cfm]] -[[American Society of Haematology--Image Bank:http://ashimagebank.hematologylibrary.org/]] -[[日本血液学会:http://www.jshem.or.jp/senmoni/examination.html]]