[[腫瘍]]

細胞の増殖(細胞分裂)

正常な状態では細胞はどのようにして増えていくのか~

ヒトの体は約270種類,総数60兆個といわれる細胞からできあがっています。270種類というのは,形態や働きの違いによって数えたものです。細胞が集まって組織をつくり,幾種類かの組織が集まってある特定の働きをする器官が形成されています

つくられてから時間のたった古い細胞は処分されて捨てられ新しい細胞に置き換わっていきます。正常の細胞は25-30回ほど分裂すると, もう分裂して増える力を失ってしまうようです。それではなぜ細胞はなくなってしまわないのでしょうか。最近の考えでは新しい細胞が幹細胞といわれる細胞から次々にできあがっていくと考えられています。幹細胞は2つに分かれて増えるとき、ある働きと形をもったあたらしい細胞と,もとの幹細胞自身を作ることができます。幹細胞の数は少ないのですがこのようなメカニズムで幹細胞がなくなることはありません。骨髄には血液細胞の幹細胞と考えられる細胞が見つかっています。幹細胞でない細胞は細胞分裂によって2つの新しい細胞(娘細胞,ドーターセルと呼びます)にわかれて増えていきます。もとの幹細胞自身ではなくなるところが幹細胞との決定的な違いです。このときに細胞は形や,その働きが変化することがあり,これを分化(ディフェレンシエーション)といっています。一般に分化というときは,新たな働きを身につけて,その働きに適応できる形態になっていく分裂の仕方をいいます。(例:腺上皮細胞への分化,神経細胞への分化など)

2つの娘細胞に同じDNAを分け与えるために、分裂する細胞は核のDNAを2倍に増やさないといけない。
細胞の核にはタンパク質の設計図であるDNAが染色質(クロマチン)として収納されています。分裂してできる2つの新しい娘細胞それぞれにもとの細胞にあったと同じ量(内容も原則的にはまったく同じ)のDNAを渡さないといけません。1個の細胞が2個に分かれて増えるので細胞は分裂前に''DNAを2倍に増やさなければいけない''のです。分裂する時DNAは分かれやすいように''染色体''という形になります。 

「細胞周期」とはなんですか~
分裂のサイクルを細胞周期(セル・サイクル)とよびます。細胞は分裂の信号を受け取ると徐々にDNAを合成,増やしていって2個の娘細胞に分裂する。これをぐるぐると繰り返すので細胞周期(セル・サイクル)と呼んでいます。1つの細胞が2つの細胞に分裂する時間は,生物の種類によりだいたい決まっており、ヒトでは約1日です。図のように分裂が終わった直後の時間,DNAを増やしていく時間、分裂をする時間がありそれぞれG1期,G2,S期,M期と呼んでいます。また細胞が分裂をやめて,休んでいることがあり,この細胞をG0期の細胞と呼びます。''このサイクルは細胞の数量の調節に大変重要''で,''いろいろな遺伝子やタンパク質の働きで細かく制御されて''います。DNAが傷ついて,このへんの調節が壊れると大変です。ちなみにGはgap(ギャップ=間隙)、Sはsynthesis(シンセーシス=合成)Mはmitosis(マイトーシス=分裂)のMを表すようです。



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