[[PathologyAtlas]], [[血液腫瘍病理学]]

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*AML with inv(16)(p13.1q22) or t(16;16)(p13.1;q22); '''CBFB-MYH11''' [#h74d1588]

*AML with inv(16)(p13.1q22) or t(16;16)(p13.1;q22); '''CBFβ-MYH11''' [#h74d1588]

''再現性のある遺伝子異常を呈する急性骨髄性白血病の一型''

通常, &color(red){''異常な好酸球増多''を伴う単球および顆粒球分化を示す''AML-M4eos''};の形態をとる。Synonymに ''AML with abnormal marrow eosinophils''がある。

-この疾患では通常型のacute monomyelocytic leukaemia(AML-M4)に加えて種々の程度の骨髄好酸球増多bone marrow eosinophiliaを来す。(普通は増加するがまれに5%未満のこともある)
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-骨髄は通常 ''hypercellularである''。normocellularな骨髄所見のこともある。
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-''maturation arrestはなく全ステージの成熟段階好酸球が認められる''。
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-顕著な所見は未熟な好酸球顆粒がほぼ promyelocyte, myelocyteの段階で出現すること。
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-好酸球成熟の晩期においてはこの未熟顆粒は認められなくなる(末梢好酸球は正常型である。)
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-好酸球の異常顆粒は正常顆粒より大きく, &color(purple){''赤みかかった紫色(purple-violet)''};を呈し, ときに細胞が見えないくらいに密に認められることがある。
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-成熟好酸球にはときに低分葉を示すものがある。
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-naphtol-ASD-chloroacetate esterase 反応は&color(blue){''正常好酸球は通常陰性''};(オレンジ色〜淡い黄色の顆粒で赤色ではない)であるがこのAMLの異常好酸球はうすく染色されることがある。AML with t(8;12)(q22;q22)に出現する好酸球にはこの現象は認められない。
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-アウエル小体がmyeloblastsに認められることがある。
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-芽球の少なくとも3%はMPO(myeloperoxdase)が陽性となる。
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-monoblastとpromonocyteは通常, non-specific esteraseに陽性に染まる。染まり具合は予想よりも弱く、ときに全く染まらないこともある。
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-優位なmonocyteとeosinophilsに対して, ''好中球はごくわずかであり、とくに成熟好中球は減少している''。
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-その他のacute myelomonocytic leukaemia(AML-M4)と末梢血の所見は同じであり, 好酸球増多は認められないが、一部の症例に末梢血の異常好酸球増多が報告されている。
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-inv(16)(p13.1q22) or t(16;16)(p13.1;q22)を示すleukaemiaで好酸球増多を欠く症例がある。また単球成分を欠き骨髄球系のみの症例や, 単球のみの分化を示す症例もある。
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-まれではあるが&color(red){芽球が20%をきる症例がある。それでもこの染色体異常をもつ場合はAMLに分類すべきである};。
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-すべての年齢に発症するが, 若年者に多い. 欧米では若年者AMLの5〜8%を占める. 本邦では少ない.
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-腫瘤病変を形成することがある.
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-化学療法で寛解率が高く, ''予後は良好''. consolidation therapyに高用量シタラビンを使用すると再発率が低い.
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#ref(BMsEo-01.jpg,around,50%)
56yo female
//IWT-H1500380
AML-M4Eo with inv(16)(p13.1q22)

中央と右にbasophilicな大型顆粒をもつ異常好酸球が認められる。この症例では異常好酸球が少なかった。(クリックで大きな画像がみられます)
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*Case presentation [#lfc31fd8]
56yo female
//IWT-H1500380

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骨髄組織所見 HE染色
|&photo(eos-HE-lpf.jpg);|&photo(eos-HE-hpf.jpg);|&photo(eos-HE-hpf03.jpg);|
|CENTER:HE|CENTER:HE|CENTER:HE|

骨髄 clot section: particlesは境界不明瞭. cellularity 70-90%の過形成髄. 赤芽球血島はわずかに認められるのみ. Mgkは散見されるが数は少ない. granulopoietic hyperplasia像と考えられる.(HE 低倍率)

HE(高倍率)では類円形および, くびれのあるvesicularな核を有するN/C比大の細胞がシート状に増殖している.1-2個の核小体明瞭な核が多い. 細胞質は淡明, 泡沫様で境界は不明瞭となっている. 多数の核分裂像が認められる.~
芽球, 幼若細胞のびまん性増殖の所見. 淡明な細胞質, 細胞境界不明瞭なくびれた核の細胞は''単芽球, 前単球様''である.
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骨髄組織 Naphtol-ASD-CAE染色
|&photo(ASD-G-lpf.jpg);|&photo(ASD-G-hpf.jpg);|&photo(ASD-G-hpf02.jpg);|
|CENTER:ASD-Giemsa|CENTER:ASD-Giemsa|CENTER:ASD-Giemsa|

Naphtol-ASD-CAE-Giemsa染色:細胞質が赤染しないimmatureな芽球のほか, 丸く大き目な顆粒をもった細胞が多数認められる. 高倍率では Naphtol-ASD-CAE陰性の芽球, 赤く染まる幼若細胞, オレンジ色調の大きめな丸い顆粒をもつ好酸球と考えられる細胞が増加している. 芽球には強いくびれやねじれた核の細胞が多くみられ, 単芽球の増殖が推察される.

単球様形態をとる芽球の増殖と多数の好酸球増加から &color(#e60033){Acute myelomonocytic leukaemia with eosinophilia(AML-M4eos)};の診断があげられる. smearで異常な好酸球を確認へ.

Bone marrow smear/ blood filmの所見

|&photo(BM-smear01.jpg);|&photo(BM-smear02.jpg);|&photo(BM-smear03.jpg);|
|CENTER:BMスメア;Giemsa染色|CENTER:BMスメア;Giemsa染色|CENTER:BMスメア;Giemsa染色|

好酸性大型顆粒をもつ幼若好酸球が認められる他, &color(purple){''好塩基性顆粒の異常な顆粒をもつ好酸球が増加している''.};
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|&photo(karyotypeB.jpg);|&photo(karyotypeA.jpg);|
|46,XX,inv(16)(p13.1q22)||

病理組織診断: acute myelocytic leukaemia with inv(16)(p13.1q22), CBFβ-MYH11
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[[inv(16)(p13q22) CBFB/MYH11 in treatment related leukemia:http://atlasgeneticsoncology.org/Anomalies/inv16p13q22TreatRelID1297.html]](Atlas of Genetics and Cytogenetics in Oncology and Haematology&note{:http://atlasgeneticsoncology.org/Anomalies/inv16p13q22TreatRelID1297.html};)

*inv(16)(p13.1;q22)/ t(16;16)(p13.1;q22) '''CBFB-MYH11''' [#w6ac73a1]

t(8;21)(q22;q22)および inv(16)(p13.1;q22)/ t(16;16)(p13.1;q22)の染色体異常をもつ急性骨髄性白血病AMLはそれぞれ'''''RUNX1-RUNX1T1''''', '''''CBFB-MYH11'''''融合遺伝子によるfusion product proteinが 転写因子RUNX1とCBFβにより構成されるcore-binding factor(CBF)の正常機能を消失させることでAML発症に関連すると考えられている. 
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t(8;21)(q22;q22)および inv(16)(p13.1;q22)/ t(16;16)(p13.1;q22)の染色体異常をもつ急性骨髄性白血病AMLはそれぞれ'''''RUNX1-RUNX1T1''''', '''''CBFB-MYH11'''''融合遺伝子によるfusion product proteinが 転写因子RUNX1とCBFβにより構成される&color(blue){''core-binding factor(CBF)の正常機能を消失させる''};ことでAML発症に関連すると考えられている. ~
これらのAMLは上記の機序により, CBF-AMLと呼称される. &note{:Arber DA, et al. The 2016 revision to the World Health Organization classification of myeloid neoplasms and acute leukemia. Blood. 2016 May 19;127(20):2391-405.PMID: 27069254};&note{:Paschka P, Doehner K Core-binding factor acute myeloid leukaemia; can we inprove on HiDAC consolidation? ASH Education Program Book 2013: 209};

''inv(16)(p13.1;q22), t(16;16)(p13.1;q22)''~
いずれも16番染色体q22に局在するcore binding factorβ(CBFβ)をコードする'''CBFB'''遺伝子と16番染色体p13.1に存在し, smooth muscle myosin heavy chainをコードする'''MYH11'''遺伝子が融合遺伝子を形成する. CBFβはRUNX1遺伝子産物である, CBFαとヘテロダイマーを形成し T細胞受容体やサイトカインの発現調節に関わる転写調節因子として働く.染色体分析で異常が見られない場合にもFISH法やRT-PCR法により融合遺伝子を検出できることがある.

40%のAML with inv(16)(p13.1;q22)/ t(16;16)(p13.1;q22)症例では''+22, +8, +21, del(7q)''など付加的染色体異常がみられ, ~
90%以上の症例には, &color(crimson){'''''KIT, NRAS, KRAS, FLT3'''''};など二次的遺伝子変異が併存している.


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