[[WikiPathologica]]

*パラガングリオンparaganglion [#w83ee99a]

原始自律神経神経節 primitive autonomic gangliaは~
''交感神経節''と
''副腎を含むパラガングリオンparaganglion'' (単数形はパラガングリアparaganglia)の2方向へ分化する

**交感神経幹とパラガングリオンの形成 [#ca9f1ce3]
-発生第5週に胸部''神経堤由来''の細胞が脊髄両側を背側大動脈すぐ後方に向かい移動する.
-移動した細胞は縦走する神経線維で相互に結合し両側性に分節的配列をした''交感神経幹神経節''連鎖を形成する.
-交感神経節の連鎖はいっしょになって脊柱の両側に交感神経幹を形成する
-胸郭内の神経芽細胞が頚部および腰仙部に遊走して交感神経幹は全長にのびる
-神経節は最初分節的に配列しているが神経節の癒合により配列はあいまいとなる。とくに頚部は分節があいまいである.
-交感神経性神経芽細胞の一部は大動脈の前面に移動して腹腔神経節および腸間膜神経節などの大動脈前神経節を形成する.

**パラガングリオン paraganglion(傍節:「神経節のかたわら」の意味) [#eaf9821d]

-パラガングリアは原始自律神経神経節が内分泌の性格を持って分化し自律神経節や神経叢付近に円形の集合体をつくったもの. この一部は副腎内方に侵入して副腎髄質となる.発生からパラガングリアと副腎髄質は相同の器官であるといえる.
-パラガングリアは原始自律神経神経節が内分泌の性格を持って分化し自律神経節や神経叢付近に円形の集合体をつくったもの. この一部は副腎内方に侵入して副腎髄質となる.&color(red){発生からパラガングリアと副腎髄質は相同の器官である};といえる.
-Kohn(1902,プラハの解剖学者)は神経外胚葉由来だが神経組織とは異なる形状を示し,クロム塩で褐色に染まる細胞から構成されて豊富な自律神経支配を受けている組織をパラガングリオンと名づけた. パラガングリオンを構成する主要な細胞をクロム親和細胞と呼んだ
-''副腎髄質''は成人最大のパラガングリオンである. 
-この他, ''Zuckerkandl器官'',''骨盤内交感神経中や交感神経節状策''に一致して分節的に配列するクロム親和細胞群がパラガングリオンに含まれる.

''伝統的にはガングリオンはクロム親和性パラガングリオンと非クロム親和性パラガングリオンの二種類に分類される''

***クロム親和性パラガングリオン [#w15cc6ff]
1. ''副腎髄質''~
-副腎は中胚葉由来の皮質と外胚葉由来の髄質から形成される.胎性皮質が形成されているときに交感神経系に由来する細胞(神経堤細胞)が副腎の内方に侵入して細胞索や細胞集団をなして配列し副腎髄質となる.
-これらの細胞は重クロム酸カリやクロム酸で黄褐色に染まるのでクロム親和細胞(chromaffin cell)とよばれる.
-胎性期にはクロム親和性細胞は胚子体内に広く散在しているが成人では副腎髄質のみに細胞集団が残っている
-副腎髄質にはノルアドレナリン分泌細胞とアドレナリン分泌細胞の二種類のクロム親和細胞が存在する。前者は強いクロム親和反応を有し,後者は塩基性色素に好染する.

2. ''Zuckerkandl器官''~
-ヒト胎児や新生児の腹大動脈の左右両側で下腸間膜動脈起始部にみられるクロム親和性細胞集団
-この器官は胎児新生児期には顕著だが副腎髄質の発達とともに1歳半ころから退化し始め思春期以後は通常見出せない
-この器官に含まれるモノアミンは大部分ノルアドレナリンである
-この器官のクロム親和細胞には副腎髄質と同様に交感神経節前線維が来てシナプスを形成するが頻度は髄質にくらべ極度に少ない

3. ''交感神経にともなって見られるパラガングリオン''~
-交感神経節状策や骨盤内交感神経叢の走行に一致してクロム親和細胞の小集団が散在している.
-通常は神経周膜の内側にあるが,外側に存在するものもある
-パラガングリオンのクロム親和細胞集団は神経細胞からは薄い結合織の皮膜で分画されている

***非クロム親和性パラガングリオン [#r09922c7]
1. ''頚動脈小体 Carotid body''~
-総頚動脈内側で内・外頚動脈の分岐部に存在する,米粒大の卵形の小体
-小体内には血管分布が豊富で舌咽・迷走・交感神経に由来する神経線維束が認められる.
-電顕では主細胞(モノアミンを含有するがクロム親和反応陽性を示す細胞は少ない), 支持細胞および神経終末との特有な複合体である
-頚動脈小体の本体はいまだ不明である
(神経節, 神経性内分泌腺, 鰓弓由来の腺, 血管糸球, アドレナリン系物質を分泌する内分泌器官, 副腎皮質に拮抗するパラガングリオン, 動静脈吻合の一種などの説がある)
-生理学的には呼吸運動反射に関与する化学受容器が存在すると考えられている(血中O2,CO2分圧, pH低下が刺激になる)

2. ''頚動脈小体以外の非クロム親和性パラガングリオン''~
-頚動脈小体に似た組織学的構造を示す器官は上行大動脈の周囲, 頚静脈球の近傍, 迷走神経神経節およびその走行中,さらに喉頭内などにも見出されているが詳細は不明である.

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