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*BRCA1 and BRCA2 [#oca33879]
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&color(#e2041b){''BRCA1/2はがん抑制遺伝子としてしられている''};. ~
TP53のように細胞周期を直接抑制するgate keeperではなく, ゲノム安定性に必須なcare taker型がん抑制遺伝子で, DNA損傷修復, 細胞周期チェックポイント制御, クロマチン再構成remodeling, 中心体制御など多彩な機能を有している. &note{:Venkitaraman AR.Cancer susceptibility and the functions of BRCA1 and BRCA2. Cell. 2002 Jan 25;108(2):171-82.};. これらは''すべてゲノム安定性を維持するための機能である''.

BRCA1/2の機能のうち, &color(#e2041b){''DNA相同組み換え修復(homologous recombination repair: HRR)''};は, 最も重要で, &color(#e2041b){''PARP(Poly(ADP-ribose)polymerase)阻害剤の感受性を左右する.''};

-''BRCA1'' BRest CAncer 1 gene, [[BRCA1 DNA repair associated.:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/672]],  ''17q21''
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BRCA1はHRRにおいて, 1) 切断端削り込みによる1本鎖DNA(ssDNA)の伸長, 2) 仲介役のPALB2を介して, BRCA2と結合し, BRCA2を損傷局所へ誘導する, 2つの過程で必須である.&note{:Xia B, et al. Control of BRCA2 cellular and clinical functions by a nuclear partner, PALB2. Mol Cell. 2006 Jun 23;22(6):719-29.}; &note{:Zhang F, et al. PALB2 links BRCA1 and BRCA2 in the DNA-damage response. Curr Biol. 2009 Mar 24;19(6):524-9.}; 1)の十分な長さのssDNAがないとssDNAは姉妹染色分体へ侵入できない.
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-''BRCA2'' [[BRCA2 DNA repair associated.:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/675]],  ''13q12.3''
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''BRCA2''の機能はBRCA1が多機能を有するのに比べ, ''HRRに限定している. BRC repeatと呼ばれる8つの繰り返し配列をもち, それぞれのBRC motifを介して, 複数のRAD51と結合する''.
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BRCA1によりDNA損傷局所に誘導された''BRCA2は伸長したssDNAにRAD51を供給する''. &color(red){RAD51はリコンビナーゼという酵素};であり, ssDNAに結合してDNA-RAD51フィラメントを形成し, 姉妹染色分体に侵入してホモロジーサーチ(相同部位探索)を行う相同組み換え修復のエフェクター分子として働く.
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DNA二本鎖切断(double-strand break: DSB)を配列エラーなく元通りに修復する機構がHRR. 細胞にとって, DSBは一本鎖切断(single-strand break: SSB)にくらべより致命的であり, 可及的速やかに修復する必要がある.

DSBは, アントラサイクリン系や架橋剤などの化学療法薬, 放射線の他, DNA複製にともなって発生する.

DSBの修復機構には, 切断端を単純に再結合する, 非相同末端再結合(non-homologous end-joining: NHEJ)と姉妹染色分体を鋳型にして損傷部位をより正確に修復するHRRがある.&note{:Ciccia A, et al, The DNA damage response: making it safe to play with knives. Mol Cell. 2010 Oct 22;40(2):179-204.};&note{:Ceccaldi R, et al. Repair Pathway Choices and Consequences at the Double-Strand Break.Trends Cell Biol. 2016 Jan;26(1):52-64.};

細胞周期において, HRRが可能なのは姉妹染色分体が存在するS期およびG2期に限られる. G1期の細胞はNHEJにより修復される.NHEJは比較的正確であるがDSBの生じ方によってはエラーを起こす可能性がある.

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***相同組み換え修復メカニズム [#q0ac4895]

''相同組み換え修復''&note{:渋谷正史ほか編集 がん生物学イラストレイテッド2011;155-157, 羊土社 東京};
#ref(DNArepair_Kumikae.jpg,around,right,75%)
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DNA二重鎖切断は染色体の欠失や転座をひきおこす重篤なDNA損傷で, 電離放射線により誘発されることが知られていた.

最近の研究では, 損傷塩基と複製フォークの衝突によってもひきおこされることが示された.

塩基, およびヌクレオチド除去修復では, 損傷塩基を除去後に無傷の一本鎖DNAを鋳型にして修復合成できるが, DNA二重鎖切断にはこの方法が使えない. 修復には, S期あるいはG2期に存在する姉妹染色体分体の相同な部位を鋳型として使用する.

1. 損傷部に複合体MRN(MRE11/RAD50/NBS1), &color(#e2041b){''BCRA1''};, およびDNAヌクレアーゼ''CtIP''との複合体が形成される.

2. CtIPがDNA切断端から3'側のDNAを切除して, 一本鎖DNAを生成, ''RPA''との結合により安定化する.

3. 次に&color(#e2041b){''BRCA2''};がRPAと&color(blue){''RAD51''};との交換反応を促進, 一本鎖DNAにRAD51が巻きついたヌクレオフィラメントを形成する.

4. &color(blue){''RAD51''};フィラメントは, 姉妹染色分体の塩基配列が相同な部位に侵入し, CtIPが分解した一本鎖のそれぞれが修復合成される. その後, ホリデイジャンクション中間体を経由して修復が完了する.

--ホリデイジャンクションはHolliday Rにより遺伝子組み換え機構を説明するモデルとして提唱された. 二本のDNA二重鎖の一本鎖の鎖間交換により, それぞれのDNA二重鎖が鎖と交換していない鎖からなりたつ中間体構造.

5. MRN複合体の成分&color(darkgreen){''NBS1を欠失したナイミーヘン症候群(Nijmegen breakage syndrome: NBS)''};では高頻度にリンパ腫の発生が報告されている.

&color(#e2041b){''BRCA1, BRCA2は家族性乳癌のタンパク質''};でありゲノム安定性に重要なタンパク質である.
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**合成致死性, PARP阻害薬の作用機序 [#b6ad0d5e]

合成致死性(Synthetic lethality): 酵母遺伝学の言葉で, ある1つの遺伝子Aに欠損がおこっても, その機能が他の遺伝子Bにより補完されると細胞は何ら不都合がないのに対し,~
''お互いに補完しあう遺伝子A, B両方に欠損がおこると細胞が死ぬ現象''.


PARP阻害薬の作用機序は合成致死性であり, この場合の&color(red){遺伝子AはPARP, 遺伝子Bは, BRCA1/2を含むHRRに必須な遺伝子となる};.

***PARPの機能 [#rc6830ce]

PARP(poly(ADP-ribose) polymerase)は, ポリADPリボシル化により側鎖をもつADPリボース鎖を, PARP自身を含む標的タンパク質に付加する酵素である.

ADPリボース鎖は種々のDNA修復タンパク質をDNA損傷部位に誘導し, DNA一本鎖損傷修復(single-strand break repair:SSBR),と代替非相同性末端再結合(Alternative non-homologous end-joining: Alt-Ej)に必須な役割を果たす.

ヒトではPARPは18ものメンバーをもつファミリーを形成するがこれらの機能に関わるのは主にPARP1であり, PARP2は一部補完的な役割を果たしていると考えられている.
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**乳癌のmolecular classification [#c9a0285e]
//**乳癌のmolecular classification [#c9a0285e]

2000年, Perou CM, Sørlie Tらは, DNAマイクロアレイをもちいて, 遺伝子発現パターンによる乳癌分類をおこなう. 同一腫瘍で再現性のある発現パターンを示す496遺伝子のサブセットを選択し, intrinsic gene subsetとしてこれらを乳癌検体で再検討しintrinsic subtype分類を樹立した.&note{:Perou CM, et al. Molecular portraits of human breast tumours. Nature. 2000 Aug 17;406(6797):747-52.};&note{:Sørlie T, et al. Gene expression patterns of breast carcinomas distinguish tumor subclasses with clinical implications. Proc Natl Acad Sci U S A. 2001 Sep 11;98(19):10869-74.};
//2000年, Perou CM, Sørlie Tらは, DNAマイクロアレイをもちいて, 遺伝子発現パターンによる乳癌分類をおこなう. 同一腫瘍で再現性のある発現パターンを示す496遺伝子のサブセットを選択し, intrinsic gene subsetとしてこれらを乳癌検体で再検討しintrinsic subtype分類を樹立した.&note{:Perou CM, et al. Molecular portraits of human breast tumours. Nature. 2000 Aug 17;406(6797):747-52.};&note{:Sørlie T, et al. Gene expression patterns of breast carcinomas distinguish tumor subclasses with clinical implications. Proc Natl Acad Sci U S A. 2001 Sep 11;98(19):10869-74.};

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