[[静岡病理医会]]

*lymphomatoid gastropathy [#j3fc938b]

胃に発生した&color(blue){原因不明の異型NK細胞増殖病変で''非悪性病変''};の10例をTakeuchiらが2010年に10例をまとめてBloodに発表した。nasal type NK/T cell lymphomaとの鑑別などが問題となる。

***literatures [#r7c60606]
Takeuchi K, et al. Lymphomatoid gastropathy: a distinct clinicopathologic entity of self-limited pseudomalignant NK-cell proliferation. Blood. 2010 Dec 16;116(25):5631-7. [[PMID: 20829373:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20829373]]

Takata K, et al. Lymphoproliferative Disease of the Upper Gastrointestinal Tract. Pathology and Clinical Medicine 2011; 29(9):975-976

**SPS235-Case04 消えたlymphoma ? [#jd85146d]

浜松医大病院病理部 木下真奈
#ref(stomachmacro01.jpg,around,30%)
胃内視鏡所見:発赤をともなう隆起病変. 表面は平滑。~
50歳代女性~
1年前検診で胃角部大彎に発赤した平皿状隆起性病変が認められgroup1の診断で経過観察。その後の2回の内視鏡検査では隆起性病変は消失していた。
1ヶ月前同検診センターで内視鏡の再検をおこない胃体中下部小彎前壁に斑状発赤が認められた。生検でatypical T-cell infiltrationがみられ胃T細胞性リンパ腫が疑われ紹介入院となる。
当院内視鏡検査でも同部位に発赤を伴うa+c様病変が確認された。生検の結果 NK/T細胞性リンパ腫が疑われ精査加療の目的で消化器科入院となる。
#clear
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***検診での胃生検組織病理所見。 [#z82ca00c]
>&photo(Sloupe.jpg,,胃生検ルーペ像); &photo(S_MPF02.jpg,,粘膜固有層拡大); 胃生検組織:腺窩上皮で腺管は減少, 萎縮しリンパ球様細胞がみつに増殖しているよう。
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中型ないし大型リンパ球様細胞が密に増殖している。卵円形, 切れ込みやしわのある核でクロマチンは淡明, 核小体をもつ核が多い. 細胞質は好酸性、泡沫状にみえる。二核の細胞や核分裂像も出現している。&color(red){CK染色では''lymphoepithelial lesion(LEL)''を確認できる。};
>&photo(S_HPF01.jpg,,胃生検); &photo(S_HPF02.jpg,,胃生検); &photo(S_LEL01.jpg,,LELの所見); &photo(stomachLEL.jpg,,CK染色);

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>&photo(CD3_loupe.jpg,,CD3); &photo(CD20.jpg,,CD20); &photo(CD3_02.jpg,,CD3); &photo(granzymeB_01.jpg,,granzymeB);

***精査内視鏡検査での病理組織所見 [#jff474a9]
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>&photo(H_loupe01.jpg,,ルーペ像); &photo(HE_HPF.jpg,,HE染色); &photo(HE_HPF03.jpg,,HE染色, LEL+); 粘膜固有層内に類円形核をもつリンパ球様細胞が密に増殖している。LEL+


>&photo(CD3_loupe02.jpg,,CD3); &photo(stomachCD20.jpg,,CD20); &photo(stomachCD3.jpg,,CD3); &photo(stomachCD7.jpg,,CD7); CD4±, CD8-, EBER-ISH-

>&photo(stomachCD56.jpg,,CD56); &photo(stomachTIA1.jpg,,TIA-1); CD56, TIA-1, granzymeBが増殖細胞に陽性を示した.

#ref(biopsyscarSPS235C4.jpg,around,right,20%)
入院後経過: NK/T細胞性の悪性リンパ腫が疑われ、進行度の精査のためCT, FDG-PET, 下部内視鏡検査を追加するが異常なし。3週間後の追加胃内視鏡検査では胃体中下部前壁病変は消失し生検瘢痕を認めるのみとなっていた。このときのflowcytometryには診断補助となる情報は得られず遺伝子再構成の提出はできなかった。
Consultationを行い、''lymphomatoid gastropathy''のsuggestionあり。全身的検索で他病変はなく, 退院経過観察となる。
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病理組織学的診断: ''lymphomatoid gastropathy, stomach, biopsy''
#clear

**lymphomatoid gastropahty(LG)((Takeuchi K, et al. Lymphomatoid gastropathy: a distinct clinicopathologic entity of self-limited pseudomalignant NK-cell proliferation. Blood. 2010 Dec 16;116(25):5631-7. )) [#v0b90d0b]
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-肉眼像では直径1cm程度の小隆起ないし浅い陥凹性早期胃がん様病変を呈する
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-病理像:異型細胞は粘膜固有層にびまん性に浸潤しときに上皮内へも浸潤する. 細胞は中
大型の組織球様核と淡明ないし淡好酸性細胞質を中等度有する
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-CD2±, CD3+, CD4-, CD5-, CD7+, CD8-, CD16-, CD20-, CD45-, CD56+, CD117-, TIA-1+, granzymeB+, perforin+, EBER-ISH- &color(red){''EBVは陰性である!!''};
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-DDX: extranodal NK/T-cell lymphoma, nasal type(ENKTLn)
--胃は好発部位ではない
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--LG組織には壊死はみられるが, ENKTLnに特徴的な血管浸潤・破壊像はみられない。
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--LGはLELを呈する。
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--細胞像が異なり、特に&color(#ff4500){''細胞質内好酸性大型顆粒''};はENKTLnには認められない。
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--ENKTLnではEBER-ISHはぼぼ100%陽性である。
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--&photo(eosinophilicg.jpg,,lymphomatoid gastropahtyの細胞内好酸性顆粒); 細胞質内に好酸性の顆粒がみられるLGの増殖細胞.(HE染色)

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