静岡病理医会

hCGの構造と合成

  • hCGは胎盤で産生分泌される分子量約38000の糖蛋白ホルモンである
  • hCGはα,βの2つの異なるsubunitが共有結合して構成されている(LH, FSH, TSHも同じ)
     
    hCGmolecule03.png
  • hCG,LH, FSH, TSHのαサブユニットのアミノ酸は相互に交換可能であるほど,よく類似している
  • hCGのβサブユニットはLHのβサブユニットと相似性をもっている(FSH, TSHとは異なる)
  • 尿素などの処理によりサブユニットに乖離するとサブユニット単独では生物活性をもたないが再結合により活性が復活する
  • hCG-αは6q12-q21(LH, FSH, TSHで共用される), hCG-βは19q13.32とそれぞれ異なった遺伝子にコードされる
  • それぞれの前駆蛋白が合成されると蛋白切断酵素によりシグナルペプチドが切断されて糖鎖の付加の後にサブユニットが合成されてwholehCG(nativehCG)ができる

hCGの生物学的作用

  • 胎盤から分泌されるhCGは強い黄体刺激作用(LH作用)をもち卵巣の黄体を刺激してprogesterone産生を促して妊娠を維持させる働きがある

hCGの抗原活性

  • hCGは各subunit単独では生物活性がないが,それぞれ独自に抗原性をもつ
  • 生体内のhCG-β様免疫活性は
    • hCG-αとhCG-βが結合したwhole-hCG
    • 遊離型hCG-β(free hCG-β)
    • 上記物質の代謝物とされるβ-core fragment など複数の分子により構成され比率は病態により異なる
  • hCG-βの抗原決定基は単一ではなく機辞犬泙杷Г瓩蕕譴討い

腫瘍マーカ

腫瘍マーカとしてのhCG
女性では腫瘍の有無をみるスクリーニングとしては使えない。男性では高値は異常
腫瘍摘出後の再発follow upに使える

hCG産生腫瘍

  • 胚細胞腫瘍:腫瘍化した生殖細胞が栄養膜細胞へ分化するためと考えられる
    • 絨毛癌choriocarcinoma (===>絨毛癌の疾患説明
    • 合胞体性巨細胞(STGC)を含む絨毛上皮癌以外の腫瘍
  • 睾丸・卵巣に発生した胚細胞腫瘍以外の癌が分化異常をおこしたもの
    • 睾丸には胚細胞腫瘍以外の癌が発生することは極めてまれ
    • 卵巣の明細胞癌が分化異常をきたして高hCG血症をきたした報告がある(都,et al 1989)
  • 妊娠性絨毛癌
  • hCG産生癌:胃癌, 大腸癌, 乳癌, 肺癌, 前立腺癌

hCG産生腫瘍には

  1. whole-hCGを主に産生するもの
  2. whole-hCGの他にhCG-βとして分泌するもの
  3. free hCG-βのみを産生分泌するものがある
  • いずれの場合も尿中のhCG様免疫活性の大部分はβ-core fragmentである
  • hCG-αを産生する腫瘍も存在する
  • 腫瘍のhCGを測定するときは,検体の種類(尿,血液,腫瘍組織)と使う抗体に注意する必要がある
  • 腫瘍細胞由来の異常hCGには糖鎖の異常の他にアミノ酸配列自体の異常もある

添付ファイル: filehCGmolecule03.png 1097件 [詳細]

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Last-modified: 2014-08-29 (金) 12:41:21 (1572d)