系統不明確な急性白血病 Acute leukaemias of ambiguous lineage(WHO分類) †骨髄系, Bリンパ球, Tリンパ球, いずれか一系統血液細胞への明確な分化を示さない種々の急性白血病. 1.急性未分化白血病 acute undifferentiated leukemia(AUL);No evidence of myeloid, B-, or T-lymphoid lineage commitment 2.混合表現型急性白血病 mixed-phenotype acute leukemia (MPAL), showing evidence of commitment to more than one lineage.2系統以上の分化抗原を発現し, いずれの一系統の白血病とも確実に診断できない.
Acute undifferentiated leukaemia(AUL) †KS-case AULの診断には系統特異的マーカーの発現の欠如が必要であるという点で、AULの基準は歴史的に一貫している。*2 AULはcCD3、MPO、CD19、cCD22、およびCD79a発現を欠き, 通常1つの表面系統マーカー( CD13、CD33、またはCD7など)のみを発現する.CD38またはTdT発現を伴って, CD34およびHLA-DRが陽性になる. *3 cellularityは60-70%. 赤芽球血島形成はみられない. Naphtol-ASD-CAE染色に赤染される顆粒球系細胞もごくわずか. 成熟Mgkもごく少数で, 正常造血は強く抑制されている. 形質細胞の凝集増加がめだつ. Mixed phenotypic acute leukemia with t(9;22)(q34;q11.2); BCR-ABL1 †IWT-Case 72yo female Case report on 262SPS, 28Jan 2017 at Shizuoka -->view PDF flie (準備中) Chief complain: 痛くて開口できない。( CTで右副鼻腔外側壁に浸潤腫瘤形成が疑われる。) CBC;RBC 243x104/µl, Hb 7.5g/dl, WBC 220300/µl, Diff; seg 16.0, Eo 0.0, Ba 0.0, Mo 11.0, ly 5.0%.
blast 68%. Plt. 4.1x104/µl .
GOT 31 IU/L, GPT17 IU/L, LDH916 IU/l. サムネイル画像はクリックで大きな画像が見られます. びまん性に芽球細胞が増殖, 正常造血は強く抑制されている。芽球の多くはASD陰性であるが, ASD陽性の芽球も存在する。smearでは細胞質顆粒をもつ幼若細胞とリンパ芽球様の顆粒のないN/C比大の芽球が存在しているようです。 免疫染色(BM clot section) CD19, MPOの免疫染色, CD19/CD33, TdT/CD33の二重免疫染色 芽球はCD19陽性で, CD10, CD79aが陽性を示す。またMPO陽性芽球が領域を異にして染色された. CD19, TdT陽性の芽球とは別個の芽球であることが二重染色(骨髄球系マーカはCD33で示したが)でも推察される。CD20, CD3は陰性. 白血病キメラ解析の検査(SRL)が提出され minor-bcr キメラ mRNAが1.5x 105 copy/ µgRNAと陽性. Mixed phenotypic acute leukemia (MPAL) with t(9;22)(q34;q11.2); BCR-ABL1 †
混合表現型急性白血病 mixed phenotype acute leukemia (MPAL) †2系統以上の分化抗原を発現し, いずれの一系統の白血病とも確実に診断できない. 以下の3つが含まれ, まとめてMPALとし, 発現する抗原によりB-myeloid, T-myeloidなどと表す。
骨髄系の形質, マーカ 1) 2つ以上の芽球集団があり, うち1つがAMLの免疫学的形質を発現する場合. bilineal leukemiaに相当。 2) B-ALLまたはT-ALLの診断基準にあう単一細胞集団があり, 同時にmyeloperoxydase(MPO)を発現する場合. CD13, CD33, CD117(C-KIT)は骨髄系形質としての特異性は十分でない。 3) B-ALLまたはT-ALLの診断基準にあう単一細胞集団があり,明確な単球系への分化を示す。非特異的エステラーゼ, CD11c, CD14, CD36, CD64, lysozymeなどの単球マーカを2つ以上発現する。
MPALのT細胞同定 cytoplasmic CD3(cCD3)またはsurface CD3(sCD3)の強発現により同定できる. cCD3の判定にはCD3 epsilon鎖を検出する抗体を使った flow cytometryが最適。sCD3陽性はMPALではまれ。 抗CD3 polyclonal抗体を使ったICHでは, T細胞に特異的ではないCD3 zeta鎖を検出する可能性がある。 B細胞系のマーカ 骨髄系, T細胞系と異なり, 単独で確実にB細胞系列と判定できるマーカは存在せず複数の抗原が陽性になる必要がある。 B-ALLの診断基準に合致する芽球集団が独立して存在するときはB細胞系と判定できるが, 単一の芽球集団の場合は以下のいずれかの条件を満さなければならない。 (1) CD19が強陽性. かつCD10, CD79a, cCD22のいずれか1つ以上が強陽性. (2) CD19が弱陽性. かつCD10, CD79a, cCD22のいずれか2つ以上が強陽性. 覚え書き †.style_table { padding:0px; border:0px;
以上表の左寄せ 固定を2017/2/1に変更 |